こんにちは。えたばりゅです。
今回は日本でも非常に恐れられており、世界の昆虫たちの中でもトップクラスの実力を持つとされる鬼神オオスズメバチの生態に迫っていきたいと思います。
一体何がオオスズメバチを最強クラスの昆虫へとのし上げているのか、またそのイメージに反して、意外に多いライバルや天敵など、そのあたりもバッチリ、ネップリ、タップリご紹介しておりますので、是非ゼヒ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
オオスズメバチを最強クラスの昆虫にのし上げる三種の神器ともいえる武器とは!?
オオスズメバチ、もう日本人であれば、知らない人はいないっていうくらいの超メジャーな蜂ですよね。オオスズメバチは日本に生息している固有の種っていうイメージが強いですが、中国やインドなど幅広い地域で生息していて、各地でもその強さを武器に繁栄しております。
日本に生息しているオオスズメバチはその亜種である、オオスズメバチ日本亜種、英名は「Japanese Jiant Hornet」、学名は「Vespa mandarinia japonica」というオオスズメバチなんです。
その性格は鬼神といっても決して過言ではなく、超攻撃的で他の種の昆虫を積極的に襲い、時には人間でさえ致命傷を与えられます。
余談ですが、オオスズメバチの餌が減少する秋口になると、より攻撃性が増しますので、特に紅葉を見に山中に行かれる際などは注意が必要なんです。
この性格のイメージ通り、といっては何ですが、兼ね備えている実力も相当なもので、日本の昆虫の中では間違いなく最強クラスの昆虫の一翼を担っている種といえます。
では、オオスズメバチを最強クラスの昆虫へとのし上げている、その武器とはなんなのか。まぁ、全身武器って言ってもいいのですが、その中でも選りに選りすぐって、厳選したオオスズメバチの3種の神器ともいうべき3つの武器をご紹介したいと思います。
オオスズメバチを最強クラスの昆虫へと誘う三種の神器1.巨大な体から繰り出される強烈な力
オオスズメバチはその名前に「オオ(大)」とついているとおり、大きいもので体長が約6cmに迫る日本では間違いなく最大のハチで、世界でもハチの中ではトップクラスの巨大さを兼ね備えております。
また、巨大な体についている羽の力、オオスズメバチが飛ぶスピードは時速約35~40kmにもなり、獲物を探す時は約100kmもの距離を移動するスタミナも兼ね備えております。
その強靭な羽を使って獲物を見つけた際、その攻撃対象へと繰り出される攻撃も強烈そのもので、特に「いかにも攻撃的」という顔についている大アゴの一撃は外骨格という固い殻に覆われている昆虫たちの体を容易に食い破る強さを兼ね備えているんですね。
もちろん、このような鋭いアゴで咬まれれば、人間でも出血は免れません。
ただ、出血こそすれ、オオスズメバチに咬まれたとしてもそれが原因で人間が死に至るということはまずありません。(相当痛いですが)
しかしながら、次にご紹介するオオスズメバチの必殺の武器を使われると、他の昆虫たちはもちろん、人間でも致命傷を負うことがあるんですね。
オオスズメバチを最強クラスの昆虫へと誘う三種の神器2.猛毒がタップリ仕込まれた毒針
もうこれは、有名すぎるくらい有名ですよね。毒針に関してはオオスズメバチに限らず、ハチと呼ばれる仲間の大部分のメスたちが有しているのですが、特にオオスズメバチの毒の強さは日本の蜂の中でも最強を誇り、一度に刺されてしまう箇所が多くなれば、人間でも非常に危険です。
また、一度過去に刺された経験があり、また再度刺されてしまうと、体内の免疫システムがアレルギー反応を起こし、いわゆるアナフィラキシーショックを引き起こしてしまう可能性もあります。
しかもオオスズメバチの毒針はミツバチたちとは違って何度でも刺せる構造になっているんですね。ですので、大型の獲物を襲う際や天敵から自衛する際にはこの毒針を相手に何度も打ち込み攻撃するというわけです。
この攻撃によって、時にはライバルであるオオカマキリやオニヤンマも仕留めてしまうんですね。
オオスズメバチの毒液は刺して注入するだけでなく噴射もできる
また、この毒針から流し込まれる毒液はただ刺して流し込むだけでなく、噴射することも出来ますので、周りで飛んでいるだけという状況でも決して油断はできません。さらにある種の警報フェロモンも含まれており、外敵が巣に近づいてきた際にはこの噴射攻撃用いますので、警戒フェロモンによってスズメバチの援軍が押し寄せるなんて言う悲惨な状況になってしまう可能性もあるんです。
人間も山の中で、誤ってスズメバチの巣に近づいてしまい、一斉攻撃を受けてしまうというニュースが度々報じられたりしますが、これはスズメバチの毒液に含まれる警戒フェロモンが深く関係しているといえます。
オオスズメバチを最強クラスの昆虫へと誘う三種の神器3.群れの力
オオスズメバチは一匹でも自分より大きな昆虫も仕留められる実力の持ち主ですが、ある種の獲物に対しては、ある意味最強ともいえる群れの力を使うんですね。
どういった時にそれを使うかというと、オオスズメバチと同じように群れで社会性生活を営む昆虫を襲撃する時、すなわち同属である他のハチの巣を襲撃する際なんです。
オオスズメバチの獲物の中には、他の昆虫たちも他、同属である他のハチもそのラインナップに含まれているんですね。ハチの種類にもよりますが、オオスズメバチが数匹いれば、数万もの大群を全滅させることもあります。
まさに一騎当千というやつですね。
ただ、相手は自分たちよりも体は小さいとはいえ、同じく集団生活を営んでおり、その種によっては鋭い大アゴや毒針で反撃され、攻め入った側であるオオスズメバチ側にも多くの被害が出ることも多い為、他の獲物が多くいる時期にはあまり積極的に襲撃はしません。
意外に敵の多いオオスズメバチ
先ほど他のハチも襲うとお伝えしましたが、ニホンミツバチやチャイロスズメバチなど、そのハチの種類によってはオオスズメバチ襲撃への対抗手段を有している種もいて、襲撃に行ったオオスズメバチが逆に反撃に遭うこともあったりするんですね。
では、次にオオスズメバチの驚異となる動物たちを一部ご紹介していきましょう。
オオスズメバチと覇を競うライバルたち
このように多彩な武器を持って日本では最強クラスの昆虫といえる、オオスズメバチですが、中にはそんなオオスズメバチと覇を競うような実力を兼ね備えた昆虫もいるんですね。
一部例を挙げると
- オニヤンマ
- オオカマキリ
- オオムラサキ
- コガネグモ
といった、これまた実力では相当名高い節足動物たち。これらの昆虫たちとは捕食されたり、逆に仕留めたり、そして餌場の奪い合いなどといった競合関係にあります。
・・・
え?一種だけおかしいのが混じってる??
いやいやいや、オオムラサキ、実は意外とすごいんですよ。
-
オオムラサキの威風にあのスズメバチすら戦慄!?美しい森の皇帝の貫禄
こんにちは。えたばりゅです。 自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。 このコーナーは、そんな自然界に生きる ...
続きを見る
オオスズメバチの天敵たち
このようにライバル関係にある昆虫こそいるにしろ、天敵となる動物なんていそうにもないんですが、オオスズメバチにも天敵は存在するんですね。
その天敵は
- スズメバチの巣ごと破壊し、成虫や幼虫を食べる分厚い皮下脂肪に守られたクマ
- 蜂の巣を襲い、ハチを主食にしているハチクマというタカの仲間
他にも固い装甲を持ち、オオスズメバチほど強い毒ではありませんが、トビズムカデなどもオオスズメバチの毒針や顎が通じず、対峙した場合には逆にやられてしまうことが多いようですね。
また、天敵というわけではありませんが、カブトムシやヒラタクワガタなど大きなコウチュウ類には自慢の大アゴや毒針が通じないことが多く、樹液の出ているエサ場を独占されることもよくあるんです。
このように、オオスズメバチには意外と敵も多いんです。
オオスズメバチの意外な事実
このようにかなり高い攻撃性を持ち、兼ね備えた必殺の武器を駆使しして相手を攻撃するオオスズメバチですが、実はオオスズメバチがこれらを襲うのは、自分たちが食べるためではないんですね。
オオスズメバチが他の昆虫たちを襲うのは、幼虫の餌とするため。
オオスズメバチの成虫は幼虫から分泌される液体や樹液などを主食としていて、仕留めた他の昆虫たちを食べることはありません。
ですので、オオスズメバチは幼虫たちを育てると同時に、自分たちの栄養源を幼虫から確保するためと子孫繁栄のために他の昆虫たちを襲撃しているといえます。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、日本に生息する最強のハチ、オオスズメバチの生態やその最強クラスの所以となっている、三種の神器ともいえるオオスズメバチの武器をご紹介させていただきました。
ただ、今回ご紹介したように攻撃性が高く性格は獰猛か、穏やかかって聞かれると間違いなく獰猛な部類に入るオオスズメバチですが、普段私たちが接触する機会があるのはオオスズメバチの働きバチであり、働きバチたちは通常、自分たちの任務である、エサを確保することに専念しております。
ですので、人間を見ると無条件に襲い掛かってくるってことはないので、そのあたりは過剰に心配することはないのですが、ヘンにちょっかいを掛けたり、追っ払おうすると、逆に反撃される可能性も高いので、見かけても相手にせず、やり過ごすのがいいかなと思います。
家に入ってきたときは、窓などを出来る限り開けて、ハチが出ていきやすいようにし、その場から静かに退散して、相手が自然に出ていってくれるのを待っていただければと思います。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。