こんにちは。えたばりゅです。
今回は頂いたご質問への回答記事になります。しかもちょっと今回のご質問は切実といいますか、その方の今後の楽しいペットライフを左右するようなご質問だったので、さらにリキをいれてご回答させていただきたいと思います。
頂いたご質問は、とある保護施設から犬を迎えたのの、怖がりで中々慣れてくれない。今後この子はちゃんと慣れてくれるのでしょうか?それともウチの環境が合わないのでしょうか。もし環境が合わないのであれば、この子のことも考えて、保護施設にお返しすることも少し考えております。
といった内容のお問い合わせ。
ちょっと深刻そうなご質問だったので、この方にはしっかりと直でご返答をさせていただきましたが、これ、犬、猫問わず、結構多くてですね。ですので、別途回答記事としてアップさせていただくことにしました。
結論から申し上げると、ハイ大丈夫です。ただ、こういった怖がりであったり、警戒心の強い子に慣れてもらうには、少し接し方にコツがあるというか、気を付けていただく必要があることがあるんですね。
そのあたりも、バッチリ余すことなくバッチリ、しっかりお伝えしていきます。では、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
怖がり・警戒心MAXの犬・猫に心を開いてもらうにはどうすればいいの!?を元動物保護施設スタッフがバシッとお伝えいたします
ペットショップなどで犬猫を迎えた場合、大抵は仔犬や仔猫から接することになりますので、飼い主様のことを怖がって近づいてこない。なんてことはあまりないと思うのですが、保護施設などから犬猫を引き取る場合などは、それ以前のその子の経験から、人に対して恐怖心や警戒心を持っていることも多く、なかなかすぐに慣れることは難しい場合があります。
こんな場合、慣れてもらおうと飼い主様がペットに対して積極的にアプローチしてしまうと、かえって関係が悪化する場合がありますが、もちろんこのような子たちも、接し方さえしっかりと順を追って行けば、必ず慣れてくれます。
怖がり・警戒心が強い犬や猫たちに慣れてもらうための手順
怖がりの子の最大は、一旦慣れてしまうと飼い主様だけに、その素晴らしい表情を見せてくれることが多いです。これは怖がりの子たちが持つ、またとない魅力ともう言えます。このような怖がりであったり、人に対して警戒心を持っている犬や猫たちは、過去に人から嫌なことをされている経験をしている子たちが多く、要は人が安心できる存在であることをそのペットたちに、わからせてあげる事。
では、どのような順を追って行けばいいか。
具体的に説明させていただくことにしましょう。
慣れてもらうための手順1.まずは一緒に暮らしていく家族のにおい・同じ空間を共有することに慣れてもらう。
まず、こういった性格の犬や猫たちにとって第一段階の最大の試練は、人と生活空間を共にすること。ゲームでいうと、序章のボスです。
この時点での注意するべき点は何といっても、
出来るだけペットたちを意識せず、決して最初はムリに相手になろうとしないのが大事。
第一段階は、飼い主の匂いや家の環境に犬、猫たちが慣れることが目標ですので、ムリに相手になる必要はなく、それをしてしまうと、かえって怖がらせてしまうことがあり、致命的な溝ができてしまうこともあります。
ここでこういった怖がりな性格の子たちに向けて、私たち飼い主が行う事は、人は怖がりのペットたちにとっても安心できる存在であることを再認識してもらうこと。
これが、仲良くなるための第一歩という事です。ただ普段通りの生活を送る中で、気を付けてほしいことがあります。
何気ない動作や生活音もこういった犬や猫たちにとっては恐怖であるということ。
例えば部屋を掃除されるときは掃除機を使用すると思うのですが、掃除機から発せられる音や掃除機をかける動作。これが怖がりの犬や猫の目にどういう風に映っているかというと・・・
大きい音を出しながら長い体の一部(掃除機のホースのこと)を振り回して、自分に迫ってくる得体のしれない生物。
という感じです。
ただでさえ、慣れない環境下にいる状態で、急に聞いたことのない大きな音がしたらパニックになります。そのような状況下では人間と掃除機は別物。なんて認識する余裕はありません。
ですので、掃除機など大きな音や独特の動作をするようなことをするときは、まず、犬であればケージ等にいれた状態で、猫であればあまり音のしない部屋などに入れた状態で、そのペットから離れたところから少~~しずつ、様子を見ていくといいでしょう。できるだけ恐怖心を煽らないように気を配ることが怖がりのペットと距離を縮める第一歩となります。
慣れてもらうための手順2.人が常に近くにいる環境に慣れてもらう
人との共有空間に少しずつ慣れてきたら、人が自分の近くにいても害はないと分からせてあげることを行っていきます。まず、犬、猫がくつろいでいる時に人もその近くにゆっくり腰を下ろすなどして、同じ空間でくつろぐことをしてあげてください。
この時注意するべき点は・・・
- ペットが距離をとっても決して追いかけないこと。
- 動作はさりげなくおこなうこと。
となります。もちろんペットの真正面からズカズカと行くのはNGです。キーワードはさりげなくです。これをしばらく続けるとペットのほうから近づいて来てくれるようになります。これは飼い主様に対して少し興味が湧いてきた状況と言えます。
ただし、ここでも思わぬ落とし穴が控えています。
ココで絶対やってはいけないありがちな失敗
ペットの方から自分に近づいてきたとき、そのうれしさのあまり、「○○ちゃん!すごい(≧▽≦)!! 」なんてでっかい声で叫びながら、思わず撫でようと勢いよく手を差し出してしまいがち。
これはお気持ちとしては痛いほどよくわかります。
だって私たち飼い主からしてみれば、大きな前進ですもんね。
ただ、これをやってしまうと犬や猫がびっくりしてしまい、また1から・・・いえ、びっくりさせてしまった分、少しマイナスからのリスタートなんてことになってしまう事も考えられますので、うれしい気持ちをしっかりと封じ込めて、ペットの動作に任せてあげてください。もちろん、優しく微笑みかけるくらいはオッケーです。
慣れてもらうための手順3.少しずつ体に触れ、人の愛情を伝える。
人が近くにいても落ち着けるようになれば、今度はペットにそっと手を差し出してみましょう。ペットがまだ身構えたり逃げたりするようなら、手は戻し、もう少しの期間2の状態で様子を見ます。
ペットが手を匂いに来たりと手に興味を示すようであれば、一度そっと触ってみましょう。上から頭をなでるのではなく、下あごをそっとなでるように触ってあげてください。こうすることで、人の手が安心できるものだと認識してもらいます。ここで初めて人が「害がない」から「少し安心できる存在」へとその意識をランクアップさせます。
そしてあごなどが撫でられるようになれば、今度は顔全体をなでてみる。
このように、順を追って少しずつ、少しずつペットに人が安心できる存在だという事を認識してもらいます。
では、怖がりの犬・猫に慣れてもらうために必要な手順とそれを行うにあたって大事な要素をおさらいしておきましょう。
怖がりの犬・猫に慣れてもらうための手順と大事なこと
まず、慣れてもらうための手順として、
- 家族のにおい・同じ空間を共有することに慣れてもらう
- 人が常に近くにいる環境に慣れてもらう
- 少しずつ体に触れ、人の愛情を伝える
そしてその行程に付随して気を付ける大事な要素は
- 気長に構える
- 決して焦らない
- 全てにおいて、さりげなくを心掛ける
- 接するのは私たち飼い主のペースではなくペットのペースで
ということになります。こればっかりは焦りは禁物ですし、焦っても仕方ありません。
私が保護施設に勤めていた時も、このような犬や猫に接するときは、その子の性格に応じて、慣れてもらうスパンを長ければ数年単位で設定していたりしました。
そしてもう一つ大事なことは怖がりのペットに接するときは、私たち飼い主が穏やかな気持ちで接してあげること。
飼い主の焦りやイライラはこのような性格のペットたちには、その雰囲気をペットたちは敏感にとらえます。そしてそういう負の感情を感じ取ってしまうと、慣れる時間がどんどん長引くだけです。
焦らず、ゆっくりと。相手のペースで。
これ、大事なんで何回も繰り返します。
そして、なによりも大事なことは「絶対に慣れてくれる。ただ時間がかかるだけ。」私たち飼い主様がこう強く思い続けていただくことです。そして、慣れてくれた時の喜びは本当に感無量です。ぜひご参考ください。
では、次に怖がり犬たちの次のステップ。お散歩での注意点など、ご紹介したいと思います。
怖がり、警戒心の強い犬たちがお散歩をしっかりできるようになるためには
猫たちは、散歩という要素はあまりないのですが、犬たちにとっては散歩、運動はとても重要な要素を含みます。
で、このお散歩が、お家の環境にも飼い主様にも慣れてくると犬の場合は、次のステップとして大きな試練となることが多いです。
ご自宅の環境が自然環境が多く残るような場所、または郊外に位置し、周りの雑踏などがあまりない環境でしたら、そんなにハードルの高さは上がらないのですが、街中となるとやはり話は違ってきます。
本来お散歩や運動は犬たちにとって、食事と並ぶほどの楽しみの1つ。
そして、お散歩や運動ができない場合、犬にとってこれがストレスになり、お家のものを破壊したり、無駄吠えが目立ったりと問題行動につながることがあります。
ですが、こういった性格の犬の場合、犬が散歩の途中で固まってしまって動かなくなることってよくあるんです。
そんな固まったときの対処法も含め、怖がりの犬に散歩を楽しんでもらうようにしていくにはどのようにしていけばよいか。僭越ながら私の愛犬であり、愛する内弁慶。ラム君を例に挙げながらご紹介したいと思います。
怖がりの犬にお散歩を楽しんでもらうため、私たち飼い主が気を付けるべきこと
今でこそ、リードを準備しようと、席を立ち上がるとその雰囲気がわかるようで、一目散に玄関に行き、ドアの前で待っています。そして、喜び勇んで散歩に繰り出します。このように散歩が楽しみになってくれたようで一安心なのですが、実はこのラム君。仔犬の時から一緒だったわけではなく、この子が約3歳のときに迎え入れた子なんです。
前の生活環境は良くなく、さらに悪いことに散歩にも行っていなかったようで、外の環境を歩くことに全く慣れていませんでした。
この子に限らず、性格的に怖がりになってしまった犬(元野良犬や劣悪な環境下に置かれていた元繁殖犬、過去に何かしらのトラウマがある犬など)は、車の音や自転車のベルや走る音、人が歩く姿。そのような、日常の何気ない風景や音も最初は恐怖の対象でしかありません。
ただ前述したとおり、嫌がるからと言って、散歩に連れ出さないのは、犬たちにとってこれがストレスの素になり、様々な問題行動にむずび付いてしまいます。また、運動量ももちろん足りませんので、肥満の原因になったりと、いいことはありません。
ですので、外の世界は全然恐怖の対象などでなく、むしろ楽しいものだ。ということを教えてあげなければなりません。それは、群れのリーダー。すなわち私たち飼い主様の役目です。
ここでも重要なことは、やっぱりコレ。
決してあせらず、その犬のペースに合わせること。
これにつきます。
たまにヒステリックに叫んだり、無理やりリードを引っ張ろうとしている方もいますが、それはかえって逆効果です。
ここでも私たち飼い主は決して焦ってはいけない。菩薩様、ガンジーさん、ヘレンケラーさんになる事。
最初は玄関を出るだけでオッケー。まずリードをつけ、飼い主様が玄関の外に出ます。これは、その犬を安心させることと、犬社会では何事もリーダーが先。すなわち私たち飼い主をリーダーとして認識してもらう。
という意図もあります。
そして、その犬の意思で玄関の外に出ることが出来たなら、スペシャルに、盛大にほめてあげてください。おやつをあげるのも効果アリです。犬たちは、褒めてもらって伸びるタイプのヤツが多いんです。ちなみに私も同じタイプ。
それ以上連れ出そうとはせず、しばらくはこれを繰り返します。
そして、その子が問題なく玄関を出ることが出来るようになれば次は門をでてみる。
それが出来るようになれば、少し家の周りを歩いてみる。
という感じで焦らず、その犬のペースに合わせて外の音や環境に慣れさせていくと、徐々にではありますが外の環境はそんなに怖がるものではない。という認識が生まれ、お散歩にも問題なく行けるようにはなってきます。
お散歩中に犬が固まって動かなくなった時の対処法
ラム君も最初は全く散歩に行こうとはしませんでした^^;
で、ラム君の場合は以前散歩に行ってなかったことに加え、幼年から小学生ほどのお子様がかなり苦手らしく、迎えて約12年経ちますが小学生が前方に見えると、いきなり帰ろうとしたり固まって動かなくなったりします。
過去によほど小学生に対して何か嫌な思い出があるのか、散歩ができるようになった今でも、これだけは以前よりは慣れましたが、いまだに苦手意識があるみたいです。 ですので、小学生の登下校時には散歩を避けたりしています。このように散歩の時間を工夫したりゆっくりじっくりと時間をかけることで、散歩を楽しんでくれるようになりました。
固まって動かなくなった時は、ラム君のような小型犬ならば抱っこして少し歩き、また歩かせてあげると何事もなかったように歩いてくれることが多いです。
ですが、中型犬以上になると、特に女性であれば、なかなか抱っこといっても難しいですよね。
ですので、固まったときは進行方向を変えてみるのもいいですし、少しお尻をツンツンとつついてあげるとまた歩き出したりします。またいつ固まってもいいように、普段からお気に入りのおやつなどを散歩に持参しておくのも効果があると思います。
やはり、本来であれば散歩や運動は犬の大切な楽しみのひとつ。それが、何らかの原因で単なる不安・または恐怖の対象になってしまっていれば、それを取り除き、従来どおり散歩を楽しめるようにしてあげたいところですよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は怖がりの犬や猫を迎え入れたとき、その犬や猫たちに慣れてもらうために、私たち飼い主が行うべき手順と気を付けなければいけないことなどをお伝えさせていただきました。
大切なのは、ゆっくりと穏やかな気持ちで犬や猫たちのペースに合わせること。
自分はこんなに子のこの事を想っているのになんで!?( ゚Д゚)
なんて思ったりしてはいけません。
だってね。考えてみてもください。全く違う環境で全く相手のことが分からない状態で暮らすんです。
逆で考えてみれば、私たち人間がオオカミ氏やチンパン氏の群れに入り、彼らが暮らす自然環境で暮らすようなもの。
オオカミやチンパンジーたちの群れがたとえ、私たちをウェルカム体制で迎えてくれたとしても・・・
いかがです?こう考えてみると、怖がりな性格の犬や猫たちが私たちに心を開いてくれるのに時間が必要ってことが結構納得できるでしょ。
では、今回はこの辺りで。今回の記事があなたの楽しいペットライフのお役に立てれば幸いです。では、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。