こんにちは。えたばりゅです。
今回は数多いる毒蛇の中でも屈指の猛毒と攻撃性を誇るとされている、パフアダーにスポットを当てたいと思います。その毒性は超有名ですが、実はパフアダーはその強力な毒以外にも、超意外過ぎる能力を駆使して獲物を狩る超凄腕業師捕食者だったんですね。
では、早速そんなパフアダーの捕食者としての実力に迫っていきましょう。
アフリカ屈指の猛毒のヘビ パフアダーの狩人具合が凄すぎる!その妙技にアンコウもビックリ!
パフアダーは、英名は和名と同じく、「Puff Adder」。学名は「Bitis arietans」というクサリヘビ科パフアダー属に属するヘビの仲間で、主に中央アフリカから南アフリカにかけて生息しており、アラビア半島の一部でも生息が確認されております。また、生息場所においても、森林、草原、岩山地帯と様々な環境で生活しておりましてですね、その順応性の高さもその特徴といえます。
大きさは、最大で1.8mに成長する個体もいますが、平均的なところでは約1mほどと、蛇の仲間としてはそんなに大きな種ではないですが、その胴回りは非常に太く、同じような大きさのヘビと比べても、一際存在感があります。例えるならば・・・日本のアオダイショウが木の枝ほどの太さとすると、パフアダーは幹ほどの太さというところでしょうか。
パフアダーは知る人ぞ知る、超強力な猛毒を持つヘビで、毒の種類は神経毒と出血毒。咬んだ際に相手へと注入する毒の量も多く、加えてパフアダーは非常に長い毒牙を持っており、相手に咬みついた際体の奥へと牙が入り込むため、人であってもその毒が体内に入れば致命的となります。そして、その生息地も多岐にわたることと、擬態能力が非常に優れており、普通に歩いていると、まず発見できないことに加え、人の生活圏と重なる場所でも生息していることから、危険なヘビたちがひしめくアフリカ大陸でさえ、最も注意が必要なヘビといわれるほどです。
猛毒を持ち、優れた擬態能力まで兼ね備えている。獲物を捕まえるのに、これ以上なんの武器が要るの??って思ってしまいますが、実は、パフアダーはこれらの武器に加え、ある方法を駆使して、獲物を捕まえる確率をさらに向上させているんです。
パフアダーは体の2か所に疑似餌を持ってる超凄腕業師
釣りをされる方はよく御存知のことと思いますが、疑似餌というのは、その対象が獲物としている生物に似せてつくられた釣り針を指し、ルアーや毛針などがこれに相当します。
パフアダーが、自身の尻尾を虫のように動かし、獲物となる動物をおびき寄せていることは知られていたんですが、実はパフアダーは尻尾以外にも自分の舌をこれまた器用に動かし、その恐ろしい毒牙の生えた口をあんぐり開けて獲物をおびき寄せることが分かったんですね。
※こちらの記事に含まれる動画は、動物が捕食される内容があります。閲覧の際は御注意くださいませ。
【動画】舌で獲物を誘う毒蛇、初めて見つかる
口元までおびき寄せ、一気にバクリ、2つの擬態器官を使い分ける種も初
NATIONAL GIOGRAPHIC 日本語版 News 動物 2017.02.08配信記事より
いかがでしょう。舌の動き、そして尻尾の動き。どちらもまるで生きた虫のようではなかったでしょうか。舌の動きを疑似餌にして、獲物をおびき寄せるヘビは他にもいるのですが、このように状況に応じ、尻尾と舌を使い分ける種はパフアダーのみとされています。
しかし、それにしてもこのパフアダー。一撃必殺と言っても過言ではない強力な毒と、優れた擬態能力を兼ね備えながら、なぜこのような疑似餌能力を進化させる必要があったのでしょうか。その理由について、少し考えてみました。
パフアダーが猛毒に加え、擬態能力を進化させた理由
それには、パフアダーの獲物の捕食方法が関係していると考えることができます。このパフアダー、獲物を捕食するときは、チーターのように俊足を生かし、獲物を捕らえる方法ではなく、専ら待ち伏せという方法を取ります。
その理由として、獲物に飛び掛る時の爆発的瞬発力は尋常じゃなく速いものの、パフアダーが移動する移動速度はかなり緩慢なんですね。そのような移動速度で、獲物を追いかけても獲物には簡単に逃げられてしまいます。おそらく、それでパフアダーは待ち伏せに特化した捕食方法を強化して言ったのではないかと考えらています。
そして、その毒牙がより確実に相手に刺さるよう擬態能力を駆使して周りの環境に溶け込み、そして単に獲物が自分の前を通りかかるのを待つよりも、「獲物のほうから近づいてくる確率をより高めたほうがよりご飯にありつきやすいよね。」 という発想から、疑似餌能力を発達させていったのではないでしょうか。
いや、それにしてもすごいものですね。進化するにしてもどのようにして、この疑似餌能力を研ぎ澄ませていったのか非常に気になるところです。
パフアダーの他にもいる疑似餌を使用する動物達
このパフアダーのほかに、疑似餌能力を駆使し、獲物を捕らえる動物は他にも存在します。どのような動物がその疑似餌能力を使うのか。ここでは、その一部を御紹介したいと思います。
- アンコウ:頭部の突起を海中の生息する虫のように動かす
- ワニガメ:口の中の器官を疑似餌に発達させ、虫のように動かす
- サギ:木の葉っぱや羽毛などを水面に落とし、えさと間違って近づいた魚を捕食する ナド
いや~・・・なんていうか、凄いの一言。どのような進化過程を経たらこのような疑似餌能力が体得できるのか、本当に進化というものは不思議なものですね。
最後に
いかがだったでしょうか。誰に教わることもなく進化の過程で本能として組み込まれたこの疑似餌能力を使用した捕食方法。考えれば考えるほど、不思議なものです。進化の経緯はその過程を実体験してきたその個体のみぞ知るところではあるとは思いますが、可能であれば、是非とのその進化の過程を垣間見てみたいですよね。
もちろんこの先も、もっとすごい能力を兼ね備えた動物が生まれるという可能性は大いにあるということで、進化というのは、私達人間もそうですが本当にとんでもなく素晴らしいものというのは間違いなさそうです。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。