こんにちは。えたばりゅです。
自然界にたくましく生きる野生動物たち。力強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。
このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
では、さっそく今回の野生動物、アザラシ界の巨人、ゾウアザラシをご紹介していきたいと思います。
超巨大!ゾウアザラシの巨体にシャチ・ホホジロザメも戦慄!?
ゾウアザラシは英名はそのまんまで、「Elephant Seal」という、食肉目アザラシ科に属する海生哺乳類の仲間で、その名の通り、ゾウのごとき大きな体が最大の特徴ですが、「ゾウ『Elephant』」と呼ばれるそのもう一つに理由として、ゾウアザラシのオスには大きな鼻が備わっており、こちらもその名前の由来となります。
ゾウアザラシは2種いる
ゾウアザラシにはキタゾウアザラシ(学名:Mirounga angustirostris)とミナミゾウアザラシ(学名:Mirounga leonina)と呼ばれる2種類のゾウアザラシがおりまして、どちらも巨大なことには変わりないんですが、両者には色々と違いがあったりするんですね。
キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシの違いとは
こちらはキタゾウアザラシの画像。
ではでは、キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシの違いについて、どこがどう違うのか、その代表的なところをご紹介していきましょう。
キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシの違い1.生息地域の違い
その名前に「北(キタ)」と「南(ミナミ)」が付いているので、ご想像されているかと思いますが、そのイメージ通り、キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシでは生息している地域が違うんですね。
キタゾウアザラシの主な生息地域は、北アメリカ大陸西部の沿岸地域で、メキシコからアラスカにかけて生息しておりまして、日本でも極々稀ではありますが、伊豆諸島などで、回遊中に迷ったと思われる個体が発見されたりしています。
方や、ミナミゾウアザラシの生息地は南半球である、南アフリカ南端、ニュージーランドなどから南極海にかけての島々。
主にサウスジョージア島など、亜南極地帯の島々がミナミゾウアザラシの一大繁殖地となっております。
キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシの違い2.体格とフォルムの違い
キタゾウアザラシとミナミゾウアザラシのもう一つの違いは体格。どちらも巨大なのですが、ミナミゾウアザラシのほうがキタオオアザラシよりもより大型化する傾向があり、ミナミゾウアザラシはなんと最大クラスで約6.5mもの巨体を誇るんですね。
ただ、ここまで大きくなるのはオスだけで、その中でもかなり巨大な個体ですが、キタオオアザラシのオスも4mを超えることはざらにあり、これは間違いなく鰭脚類(アシカ・オットセイ・トド・アザラシ・セイウチ)の中では最大の体格を誇る動物でございます。
6mといえば、その長さのみでいえば、本家のゾウ(陸生動物最大種であるアフリカゾウ)にも勝るとも劣らない大きさですよね。
・・・といっても、巨大すぎてあまりイメージが湧かないかと思いますので、こちらにゾウアザラシの大きさが一目でわかるちょうどいい動画がありましたので、ご紹介しておきます。
いかがでしょう・・・。その大きさというのがお判りいただけたのではないでしょうか。いや~・・・こんなのに車ドンドンされたら、もう不運と思うしかないでしょうね。
また、体はミナミゾウアザラシのほうが大きいものの、そのトレードマークともいえるオスの巨大な鼻はキタオオアザラシのほうが大きくなるんですね。
天敵たちもゾウアザラシを襲う時は決死の覚悟
こんな巨大なゾウアザラシにも実は天敵は存在しまして、その天敵は、主にホホジロザメとシャチ。
どちらもゾウアザラシの天敵としては至極納得の動物であるかと思いますが、いかなホホジロザメやシャチといえども、その糧とするのはそのほとんどが、成長過程の若い個体やオスよりも体の小さなメス。成長しきったオスは逆に自らが負傷する危険があるため、めったに襲わないとされております。
まぁ、体長6mに体重4トンとなると、もはや最大クラスのホホジロザメほどの大きさ、体重に至っては最大クラスのホホジロザメを凌駕する重量。この体重はクマやトラ、ライオン、オオカミなどなど屈強な種族がひしめく食肉目の中でも最重量を誇り、ゾウアザラシの平均的なオスの大きさである4mでも一般的なホホジロザメの大きさに相当します。確かにこれでは、襲う方にもかなりのリスクを伴うというもの。
体重4tといえば、サイよりも重量級。そう考えると、ゾウアザラシがいかに巨大かうかがい知れますよね。
ちなみに、ゾウアザラシはかなり深海深く潜水できる種としても知られており、その潜水能力は約1500m~1700mにも及び、その潜水能力を生かし、イカや魚類などを捕食して生活しております。
ゾウアザラシ 一時期は激減するも・・・
19世紀に起きた商業目的としたアザラシ猟のために、数は激減、一時期は数百頭程度の生息数となってしまいましたが、その後の生息地域や個体の保護政策により、現在ではその生息数は回復しており、今ではキタゾウアザラシが約10万頭。ミナミゾウアザラシが約60万頭ほどにまで回復しております。
ただ、一時期数百万頭にまでその生息数が落ち込んだことで、遺伝子的に脆弱性がある可能性や、それに伴う病や人間が出す汚染物質により絶滅する危険性ははらんでいるといえます。保護政策で、せっかくここまで生息数が回復しておりますので、そのまま順調に種の存続を行えるべく、しっかりと保全していきたいものですよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はアザラシなどの仲間で最大の種である、ゾウアザラシをご紹介させていただきました。ゾウアザラシといえば、神奈川県にある、新江ノ島水族館飼育されていたミナミゾウアザラシのみなぞう君を思い出される方もおられるのではないでしょうか。アジなどのエサが入ったバケツを自分で抱えて持つなどの愛嬌のあるしぐさで人気だったのですが、2004年の10月に肺気腫による呼吸不全のため、その寿命を全うしました。
今現在では、ゾウアザラシはワシントン条約でその取引が厳しく制限されておりますので、ゾウアザラシは日本で飼育されていないんですね。私たち日本人としては、少し寂しい気持ちはあるものの、ゾウアザラシにとっては飼育下よりも自然下で自由に暮らせるほうがもちろんいいですもんね。これから先、順調にゾウアザラシたちが元気で繁栄していけるよう絶賛応援せねばですね。ではでは今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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