こんにちは。えたばりゅです。
今回はあんまりいいイメージを持たれていない動物の最右翼といっても過言ではない、ブチハイエナの隠れた魅力を余すところなくご紹介しようと思います。
ハイエナというと、
- 死肉を漁る
- 他の捕食動物が苦労して捕まえた獲物を横取りする
といったところが表立ってテレビなどでもかなりクローズアップされているので、どちらかというと嫌われ者という立ち位置に甘んじておりますが、それはとんでもない誤解というもの。実は実はブチハイエナはめちゃくちゃ有能なハンターなんですね。
しかもとても面白い特徴を兼ね備えた魅力的な動物なんです。
この記事を読み終えるころには、嫌われ者最右翼から、あなたの好きな動物ナンバーワンに躍り出ること請け合いですので、是非ゼヒ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
嫌われ者ハイエナ 汚名に隠れた真の姿 実は捕食動物の中でも屈指のハンターだった!
このお姿はもう有名すぎるくらい有名ですよね。
ブチハイエナ、学名「Crocuta crocuta」と呼ばれるこのハイエナは、世界に生息するハイエナの仲間では一番大型種で、体長約2mにも迫ることがあります。体重も大きい個体では、約80kgと、超大型犬種であるセントバーナードやアイリッシュウルフハウンドもビックリの体格を誇るんですね。
英名では、「Spotted Hyena」の他、「Laughing Hyena(笑うハイエナ)」なんていう風に呼ばれており、その鳴き声がまるで人間が笑っているように鳴くことからこう呼ばれております。
生息地はアフリカのサバンナですが、サハラ砂漠のような砂漠地帯にも生息しており、一番最上位のメスを頂点とする「クラン」と呼ばれる数十頭の群れを作り生活しておりますね。
では、ハイエナの優れたハンター具合をご紹介する前に、ブチハイエナに関するトリビアを2つほどご紹介しておきましょう。
ハイエナトリビア1.実は犬よりも猫に近い仲間
ブチハイエナはじめ、ハイエナは犬の仲間のようなフォルムをしているので、イヌ科の仲間に近い動物と思われがちなんですが、実はマングースやジャコウネコに近い動物で、ネコ亜目に分類されている動物なんです。
ネコ亜目に分類されている動物たちは
- ネコ科動物
- マングース科の動物
- ジャコウネコ科の動物
- ハイエナ科の動物
などがおります。もちろん、イヌ亜目もネコ亜目もネコ目(食肉目)に分類されている動物なので、犬と全くかけ離れた種類の動物かというと、そんなことはないんですが、犬か猫かというと、比較的ネコに近い仲間なんですね。
ハイエナトリビア2.かつては雌雄同体と思われていた
ブチハイエナはメスの生殖器もオスの生殖器の様な形状をしていることや、他の動物はオスのほうが比較的攻撃性が高いものが多い中、ブチハイエナは群れの最上位もメスが取り仕切り、攻撃性もオスよりメスのほうが格段に高いことから、かつて雌雄同体の動物と考えられていました。
ですが、今はその研究も進み、ハイエナにはほとんどの動物たちと同じく、生物学的に2つの性別がある事が分かっています。
完全女系上位!ハイエナのメスは群れのすべてのオスよりも位は上
もう一つハイエナは面白い特徴を持っていて、群れの最上位に君臨するのはメスと先ほどお伝えさせていただいた通りなんですが、群れに所属するオスはすべてのメスよりもその順位は下位なんですね。
それは生れ出てからすでに決まっていて、母乳を飲む順番もメスの幼獣が常に先。時にはオスの幼獣は母乳を飲めずじまいになってしまうこともあります。
また、ボス以下の順位も明確かつ、厳密に位分けされていて、順位の優劣はお互いの匂いを嗅ぐという仕草で見分けることができ、先に相手の匂いを嗅いだ方がその群れにおいて、嗅がれる相手よりも順位が下位ということが分かっています。
コミュニケーションとしてこの臭いを嗅ぐという動作を怠ってしまうと、時にはその個体は厳しい制裁を加えられてしまうこともあるんです。こうしてみるとかなり厳しいカースト制があることが見て取れますよね。
このように動物的に見ても非常に魅力的かつ興味深い特徴を兼ね備えたハイエナ。そのイメージとは正反対の優れたハンターっぷりをご紹介していきましょう。
ブチハイエナのハンターとしての優秀な武器1.俊足と驚異的なスタミナ
ハイエナというと、その姿はなんか後ろ下がりというか、あんまり速く走ることができなさそうですよね。
でも、実はハイエナは俊足の持ち主で、なんと60km以上もの速さでサバンナを疾走することができるんですね。しかも、そのスタミナも驚異的で、時にはオオカミのように何十kmもの距離を走り続け、スタミナに自信がある草食獣を追い詰めることがあるんです。
この狩りの手法は爆発的瞬発力を武器に獲物を仕留める系統的に近いネコ科動物よりも、驚異的なスタミナと後述する群れの結束力を武器に獲物を仕留めるイヌ科動物に通づるところがあり、進化の神秘収斂進化の賜物と言えそうですね。
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ブチハイエナのハンターとしての優秀な武器2.強靭なアゴ
ブチハイエナの咬合力(咬む力)は非常に強く、ヌーなどのウシ科の動物の強靭な骨も容易くバリバリと咬み砕くことができます。
その咬む力はネコ科最強の咬合力を持っているジャガーには一歩及ばないものの、自分よりも大きなライオンよりも強く、集団でライオンにすら襲い掛かることがあります。
時にはライオンをも打ち倒すこの強烈な咬合力を存分に生かし、ブチハイエナは自分より大きなヌーや、シマウマ、そして時にはアフリカスイギュウといった大型草食獣をも獲物にすることもあります。
ブチハイエナのハンターとしての優れた武器3.群れのチカラ
冒頭でもご紹介した通り、ブチハイエナはライオンやリカオンと同じく、群れを形成して生活しており、狩りの際もこの群れの力を存分に発揮します。
さすがに単体では自分よりも大きな水牛やシマウマを倒すのには大きなリスクが伴いますが、群れの力を存分に発揮することにより、より大きな獲物を捕らえることができます。
いかがでしょう。このようにハイエナはかなりハンターとしては優秀な武器を兼ね備えていて、そのイメージとは裏腹に、実はハイエナ達が食べているものの60%以上は自ら狩りを行って獲得しているんですね。
ただ、もちろんそのイメージ通りといっては何ですが、死肉や腐肉を食べたり他の動物たちが狩った獲物を横取りすることもあります。
まぁ、横取りはある意味自然界では通常運転、日常茶飯事という感じで、ハイエナに限らず、百獣の王の肩書で知られておりますライオンももちろん行っておりますし、クマもオオカミ(逆も然り)が仕留めた獲物をよく横取りしていますので、厳しい自然界では「横取り」は効率的に生きる糧である食べ物にありつくための日常的手段なんです。
そして、ハイエナの群れは女王とその家系が群れを支配する完全女系独裁体制。なので、群れの序列はかなり厳しく、群れの中ではいざこざはほとんど起きないほどそのシステムは徹底されております。
またハイエナやハゲワシのような腐肉を食べる動物も自然界では重要な役割を担っているんですね。
ハイエナなどの腐肉食動物は死肉を素早く食べることにより、病気の蔓延を防いでいる
死んだ動物の肉を騒ぎ立てながら食べている姿は人間から見ると何とも言い難い気持ちになったりしますが、実はハイエナやハゲワシが死肉を素早く食べてくれることによって、様々な病気の蔓延を防いでくれているんですね。
特にアフリカは気温が高い地域が多いので、死んだ動物たちは瞬く間に腐敗が始まってしまいます。腐敗した肉が放置されていると、どんどん病気の元となる細菌が繁殖してしまい、動物たちに様々な病気が蔓延する可能性が飛躍的に高くなってしまうんですね。
ハイエナやハゲワシはこういった腐敗が始まりつつある肉をいち早く見つけ、食べてくれます。当のハイエナやハゲワシも腐肉を食べると病気になってしまいそうなものですが、こういった動物たちの胃はかなり頑丈にできており、また強烈な胃酸で腐肉もものともせず消化できるんですね。
ですので、環境と生態系を衛生的に保つ面でハイエナやハゲワシはとても重要なポストについている動物たちなんです。
ね?
こうしてみると、メッチャいいやつでしょ?
最後に
いかがだったでしょう。今回は動物界の嫌われ者で横取り野郎イメージの最右翼、ブチハイエナの隠れた名ハンターっぷりと「ポストハイエナ」の重要性をご紹介してみました。
嫌われながらも、黙々とその役目を遂行するハイエナさん。
いかがでしょう。いかがでしょう。いかがでございますでしょうか?
かなりその好感度はアップしたのではないでしょうか。是非ゼヒ、あなたの好きな動物ランキングにハイエナ氏も加えていただけると幸いです。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。