えたばりゅコラム

外来種は2つの種類がいる 外国から定着したものだけが外来種ではない意外な事実とは?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、外来種とはいったいどのような生物のことを指すのか、についてご解説しようと思います。外来種問題は昨今、全世界のあらゆる場所において問題視されておりますので、その言葉はよく耳にされることと思います。

しかしながら、この外来種。大きく分けて2つに分類されるということはあまり知られておりませんよね。

今回はそのあたりにもバッチリ触れておりますので、是非今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

外来種とは?実は外国から持ち込まれた生物だけではない意外な事実

まず外来種とはどういった生物のことを指すのか、この辺りについてご紹介させていただくと、外来生物、帰化生物などとも呼ばれ、その名の通り、本来その土地に生息していない生物のことで、尚且つ人間が絡む様々な人為的要素でその土地に持ち込まれた種のことを指します。

持ち込まれても、その土地の気候がその種の生存できる環境ではなく、繁殖することなく死んでしまうこともあるのですが、その多くの種はその地の環境に適応し、在来種や固有種を駆逐したり、近縁の在来種と交配し、雑種を生んでしまう、いわゆる遺伝子汚染など、様々な問題を引き起こすことで問題視されております。

外来種が爆発的に増加する大きな要因としては、その土地には本来いない。ということで、すなわちその生物が暮らしている土地にいるはずの天敵となる生物がいないこと。

もちろんセイヨウミツバチとスズメバチのように、持ち込まれた土地に本来生息する土地での同等レベル、もしくはもともといる土地よりも強大な力を持った捕食者がいることでその繁殖を抑えられることはありますが、これはまれなケースといえます。

外来種が持ち込まれる人為的要因とは

先ほど、外来種の定義づけで人為的要素が絡み、本来生息していない土地に持ち込まれることとお伝えさせていただきましたが、一口に人為的要素といっても様々なものがあり、その代表的なものとしては

  • ペットや飼育動物として持ち込まれが種が、捨てられたり逃げ出したりする(アライグマ・ヤマトカブトムシなど)
  • 他の特定の動物を駆逐する目的で持ち込まれる(マングース・ソウギョなど)
  • 食料として持ち込まれたものが遺棄される・逃走する(ウシガエル・ニジマスなど)
  • 船舶などに紛れ込んで持ち込まれる(クロゴキブリ・セアカゴケグモなど)
  • 釣りや狩猟の対象として持ち込まれる(ブラックバス・レイクトラウトなど)

などといった例があります。また、グリーンアノールやなどのように、これらの要素の中が複合的に重なって定着した種や、アメリカザリガニのように、元々は同じ外来種であるウシガエルの餌として輸入されたものがペットとしても扱われるようになったり、ブルーギルのように移入に関して公的機関が関わっていたりと、外来種となる要因には様々な要素が含まれるんですね。

そして、日本の種が国外に持ち込まれて国外で外来種として定着するケースもよくあり、その一例として

  • タヌキ
  • ニシキゴイ
  • 金魚
  • ヤマトカブトムシ
  • ススキ

などがあります。

そして、この外来種は国外から日本ではなく、日本から日本にというパターンもあるんです。

国内外来種という外来種問題

日本に住んでるなら、外来種じゃないんじゃないの?

って思われたかもしれませんが、日本は日本列島というだけあり、その領土が結構細やかな島々に分かれてますよね。そして、何より日本は世界でも有数の固有種が暮らす国。ですので、例えば、沖縄の西表島にしか生息していない種、小笠原諸島にしか生息していない種、もっと言えば、本州に入るけど、北海道にはいない種といった生物がたくさんいるんです。

ですので、元々北海道にはいないのに、何らかの原因で本州や四国、九州といった他の地域からその種が持ち込まれ、先ほど挙げた理由のうち何らかの原因で自然繁殖してしまったものも、外来種として扱われるんですね。

そしてこういった国内から国内に移入され、本来生息しない場所で自然繁殖した種を国内外来種といい、他の国外の外来種と区分されているんです。

国内外来種として他地域で定着している生き物たち

現代では国際間の人間の行き来ですらかなり日常で行われておりますので、国内間での行き来は言うまでもなく、また同じ日本であるゆえ、元々いた生息環境に類似した環境である事が多い為、国内外来種は通常の外来種と比較しても、その場に定着しやすい傾向があります。

また、距離が近いので、その地には亜種のような近縁種が生息していることが多く、その種との交雑が生まれることもよくあります。

国内外来種としてその地に定着している種の一例をご紹介させていただくと、

  • ヤマトカブトムシ:本州、四国、九州→北海道、沖縄
  • トノサマガエル:本州、四国、九州→北海道
  • ニホンヒキガエル:本州→北海道
  • ニホンイタチ:本州、四国、九州→北海道、本土島の周辺列島

など。このように日本国内間であっても、その土地に生息していなければ、外来種として扱われるんですね。

また、この他にもクニマスのように、日本でも非常に限定的な地域で生息していたものが、その生息地域が汚染されたことにより、絶滅してしまったものの、全く別の地域で放流されたものが再発見されたという非常に珍しい例もあるんですね。

ただ、クニマスは国内外来種であると同時に、一度は絶滅してしまったとされる非常に種としては危うい状況に置かれている種で、現在も野生絶滅に分類されております。

このように、中には外来種と定義づけられるものの、種の保全ともかなり密接な要素を持ってるものもおります。ワニガメも日本では外来種として駆除の対象となっておりますが、本来の生息地であるフロリダ州などでは絶滅危惧種として絶滅が心配されてますもんね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は外来種とは?というところで、必ずしも国外から国内に持ち込まれたものだけが外来種にあたるわけでなないというところをお伝えさせていただきました。

最近のテレビなどでは視聴者の視聴意欲をそそる為に、外来種が在来種を食い物にする悪者として仕立て上げられ、それを駆除する様子がさも正しい事かように安易に報じられることがよくありますが、その「原因となっているのは何か」ということに触れられることはほとんどありません。

しかしながら、元々は人間がその原因を作ったものであるということは明らかで、貨物に紛れ込んだりなど、そういった意図的でないものは今の現代社会では防ぐ手立てが難しいものもありますが、その多くは私たちがこういった意識を持つことで防いでいけるものがほとんど。

最近では、様々な動物たちをペットとして飼育することができますが、そのような動物たちは

思いがけないほど大きくなったり、実はビックリするほど長生き(中には人と同じくらい長く生きるものもいます)だったり、性格が荒かったりするものもいます。

また、人間と同じく動物たちの性格や体格の差も千差万別で、その性格が一般論に当てはまらないこともよくあり、またそのペットの生態や性格を考えると飼い主のライフスタイルには合わないものもたくさんいます。

こういったことで、お互いが不幸な結果にならないよう、飼う前には事前にその生き物の知識を持っておきたいところですよね。

では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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