動物雑学

【唯一冬眠する鳥】プアイールヨタカ!珍しさ超一級の生態と魅力に迫る!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、プアイールヨタカという、ヨタカの仲間にスポットを当ててご紹介したいと思います。ヨタカの仲間はどちらかというと、結構地味な立ち位置にいる鳥なんですが、実はこのプアイールヨタカ、かなりとんでもない技を持っていてですね。

実はこのプアイールヨタカ、何と冬眠しちゃうんです。今回はそんな鳥類唯一って言ってもいいほどのレアな技を持ちながら、ひっそりと目立たなく自然界にたたずむプアイールヨタカの魅力に迫ってみたいと思います。

冬眠する鳥プアイールヨタカ 超絶レア技を持っている鳥が控えめで奥ゆかしすぎる

ではまず、プアイールヨタカのご紹介を軽くさせていただくと、英名を「Common Poorwill」、学名は「Phalaenoptilus nuttallii」という、ヨタカ科プアイールヨタカ属に属する鳥類の仲間で、北米大陸南部から中央部にかけての東側に生息しておりますね。大きさに関しては体長は約20cm、翼開長は30cmほどですので、セキセイインコよりも若干大きいくらいで北米大陸に生息しているヨタカの仲間の中では一番小さい種として知られております。そして「夜鷹」の名前の通り、夕暮れから夜明けにかけて行動し、フクロウと並んで、夜に活動する代表的な鳥でもありますね。

プアイールヨタカとは若干系統が異なりますが、日本でも、ヨーロッパヨタカの仲間が主に夏鳥として飛来し、九州から北側の地域で見ることができますが、日本で見られるヨタカは近年その数が減少しつつあり、IUCN(国際自然保護連合)では、LC(軽度懸念)にランクされているものの、環境省ではそれよりも危険度があるNT(準絶滅危惧)に分類されているんですね。

では、ヨタカが持つ魅力的な特徴に触れていきましょう。

ヨタカの特徴1.周りに見事に溶け込む見事な保護色

ヨタカはその体の色といい、かなり地味なイメージがありますが、実は、この地味っていうのが自然界ではかなり有効な防御手段であり、その種によっては攻撃手段となっていてるんです。ヨタカの場合は、この地味な色は主に自分を守る防御手段として使っており、体の色が周りの環境に見事に溶け込む保護色となってるんです。そのため、昼間の明るい時間帯でもヨタカの姿を捕えることはなかなか容易ではありません。

上の画像を見てもかなり周りの環境に溶け込んでるでしょ。このように森の地面にかなり溶け込んだ姿をしてるんで、ヨタカは産卵も樹上ではなく、地面で行うんです。木の枝でなくても、タマゴを抱いてじっとしていれば、この保護色が効果を発揮し、ほとんど他の目に触れることはないんですね。

ただ、もちろん自然界には嗅覚や聴覚に非常に秀でた捕食者たちがたくさんいるので、鉄壁の保護色をもってしても、外敵が近寄ってくることがあります。そんな時は、今回フォーカスしているプアイールヨタカは口を大きく開けて、「シュ~」ッという威嚇音を出して、ヘビのように振舞い相手を威嚇することで知られています。

ヨタカの特徴2.とても大きな口

プアイールヨタカはじめ、ヨタカの大きな特徴としては、口の大きさがかなり大きいっていうのがあり、これは飛びながら少しでも昆虫類を多く捕食できるように進化したと考えられているんですね。

こちらにヨタカの口の大きさがよくわかる動画がありましたので、ご紹介させていただきます。

いかがです。体の大きさの割にかなり口がデッカイですよね。こちらはオーストラリアガマグチヨタカというヨタカなんですが、その名前もなんかうなずける気がします。

ちなみに顔立ちはタカの仲間に似ており、和名でも「タカ」を冠していますが、分類的にはタカ科とは違った立ち位置に属しています。

これらは、ヨタカたちのトレードマークともいえるべき特徴なんですが、これに加え、プアイールヨタカはかなり珍しい特徴を持ってるんですね。

冬眠する鳥 プアイールヨタカ

そうなんです。冒頭でご紹介した通り、プアイールヨタカは鳥類では唯一冬眠する鳥として知られているんです。冬眠する動物というと、ヘビやトカゲ、カエルなどの爬虫類や両生類、そしてクマやリスなどの一部の哺乳類は想像できるんですが、鳥の仲間が冬眠するというのはほとんど耳にしないですよね。

しかしながら、このプアイールヨタカは鳥類の中で唯一、自然界で冬眠という能力を駆使して、山間部の厳寒の冬をしのいでいるんです。

冬眠能力を持っているヨタカたち

現在のところ、冬をしのぐ手段として、日常的に冬眠を行っているのは、このプアイールヨタカのみなのですが、その時期の状態や状況によっては、他のヨタカ他たちも冬眠する能力を持っていることが分かっており、プアイールヨタカの他、アメリカヨタカ、ヨーロッパヨタカ等もこの冬眠能力を持っていることが分かってるんです。

ということは、ヨーロッパヨタカに近い日本のヨタカもひょっとすると必要に迫られれば、冬眠を行うかもしれませんね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、冬眠する唯一の鳥、プアイールヨタカの魅力に迫ってみました。いや~・・・、それにしても、翼を持っていて陸上生物に比べれば比較的適した場所に移動しやすい鳥類でさえ、冬眠できる種類がいるというのは本当にびっくりでしたよね。

このように種族関わらず冬眠ができる動物がいるというのは、やはり冬眠という手段が、厳しい自然の冬をしのぐにいかに有効な手段かというのが分かるような気がします。

冬眠できない私たち人間としてはちょっとうらやましかったりしますよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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