こんにちは。えたばりゅです。
今回は、神秘のヴェールに包まれた、海の一角獣イッカクにスポットを当てて、あの見事な牙(角)にどういった役割があるのか。その秘密に迫っていきたいと思います。あの見事な角が担っている役割とは、果たして・・・ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
海の神秘イッカクの謎に包まれた牙(角)が果たす役割とは!?
まず、イッカクという動物のご紹介を軽くさせていただくと、イッカクは英名を「Narwhal」、学名を「Monodon monoceros」というハクジラ亜目イッカク科イッカク属に属するクジラの仲間で、体長は約3~4mほど、北極圏を中心とした北半球の非常に冷たい海域を住みかとして、魚やイカなどを捕食して生活しています。
英名の別名「Unicorn whale」や和名のイッカク(一角)の名前の由来の通り、一本の非常に見事な角が特徴で、オスの角は時に3mの長さにまで到達することがあります。この角は、サイの角のようなものではなく、元々歯であった部分が発達したもので、通常はオスが持つものですが、数は少ないものの、メスにも1m超の短い牙(角)が生えることがあり、また中には2本の角を携えた個体が確認されております。
なので、よくイッカクのイラストで鼻先の顔の真ん中から角が生えたイラストがよく見かけられますが、実際はあのような生え方はしていなくて、左右どちらかの口元から長い牙は突き出しているフォルムをしています。
このイラストもちょっと怪しいかな・・・w
またイッカクはあの可愛い姿が人気を博しているあのシロイルカ(ベルーガ)の近縁にあたり、生息地域が混同していることから、2種間の特徴を併せ持っている交雑種と思われる個体も、現地では確認されているんですね。
それにしても、気になるのはやはりこの見事としか言いようがない牙の役割ですよね。イッカクの生息地は分厚い氷が張る海域ですので、場合によっては、この長い角は氷にぶつかったりして邪魔になることもあるはず。いったい何のためにイッカクはこのように長い角を発達させたのでしょうか。
イッカクの牙(角)の役割とは
実は、まだコレ!っていう実証がされていなくて、未だ研究者や科学者の間では論争が続いているようなんです。そんな中でも、有力視されているのが、
- メスが優れた雄を見分ける手段としてもちいている
- 獲物を捕る手段として用いている
- 海流や気流、塩分濃度を察知して、厚い氷に覆われた場所を避け、生息海域を安全に移動するための手段として用いている
といったもの。
中でも最近のドローン技術の発達によって、初めてイッカクが角を使って獲物の魚を気絶させ捕食している様子が確認されたんです。こちらその様子を捕えたWWF(世界自然保護基金)の動画。
いかがでしょう。角を海中で振りまわして獲物を捕らえるイッカクの姿が確認できたのではないでしょうか。今まで憶測の域を出ていなかったのですが、この映像でイッカクの角の役割の一つが解明されたといえそうですね。
また、最近の研究では、イッカクの角に非常に複雑な神経系が組み込まれていて、この角がもたらす情報がダイレクトに脳にまで伝わっていることが分かっているんです。
NATHONALGEOGRAPHIC 日本版 イッカクの牙は感覚器?
ただ、これらにはまだ解決しなければいけない部分がたくさんあるようで、例えば、移動手段に左右するような重要な器官であれば、どの個体にもこの角が生えていないと、ちょっとおかしいですし、また、獲物を獲る手段として用いているにしても、個体や性別によって生えている、生えていないが生じているのはやはりおかしいですよね。
これだと、メスや角の生えていない個体が生き残れる可能性が格段に低くなってしまいます。また、角は一回ポッキリしか生えないっていう特徴も、これらの立証を難しくしている要因。
餌を獲るのに重要な器官やメスが優位なオスを判断している材料であれば、サメの歯や鹿の角のように一生のうちに何度も生え変わってもおかしくないもの。なので、一回しか生えてこないっていうのは、どうも矛盾しているような気がします。
おそらくこれらについては、その角の役割で重要な役割を担っているものの、複合的に使っているのかもしれませんね。また、これらの役割は補助的なもので、他にもっと主軸となっている重要な役割があるのか。
この辺りは、今後の発見に期待というところでしょうか。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、北の海の神秘、イッカクの見事すぎる牙(角)が担っている役割の秘密に迫ってみました。まだまだ解明されていない部分が多いものの、やはりそういったところがあるのも、イッカクのたまらない魅力といえそうです。
とはいうものの、イッカクが住んでいる場所は最果ての地、北極圏。そういった意味でも研究が難しいようで、その神秘が解明されるのはもう少し時間がかかるかもしれませんね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。