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ピラニア 血に飢えた殺人魚は間違いだった!?意外と知られていないピラニアの真実

こんにちは。えたばりゅです。

今回は海の魔王、ホホジロザメと並んで、知らない人はいない恐怖の魚、ピラニアの生態について迫っていきたいと思います。ピラニアといえば、川に獲物が入るや否や、群を成して獲物に襲い掛かり、人間や牛などの大きな動物も数分で骨だけにしてしまう殺人魚として広く知れ渡っていますが、果たしてこれは本当なのでしょうか。

今回は、そのあたりも含めて、隠されたピラニアの真実を追ってみたいと思います。

殺人魚として名高いピラニアの真実 超意外なその素顔とは!?

では、まずピラニアのご紹介を軽くさせていただくと、英語名を「piranha」、学名を「Pygocentrus」というカラシン目セルラサルムス科に属する魚類の一部で、ピラニアと呼ばれる魚たちは、主にPygocentrus属やSerrasalmus属などに属しています。

主にアマゾン川を中心とする南アメリカに生息していて、大きな河川に生息しているのですが、一か所にとどまっていることが多く、あまり広範囲を移動しません。

・・・とサラリと紹介しましたが、もうニュアンスでお分かりのことと思いますが、ピラニアという魚は1種類ではないんですね。私たちがよく知っていて、ピラニアと聞くとその姿を思い浮かべるのは「ピラニア・ナッテリー【英語名:Redbellied piranha】(学名:Pygocentrus nattereri)」という種類のピラニア。

ピラニアの代名詞といっても過言ではない、超鋭くて切れ味バツグンの歯を持っていて、背中にシルバーのラメが入ったようなフォルムで、お腹の辺りが朱色掛かっているのが特徴ですね。体長は約20~30cmほどですが、ピラニアの種類の中には、体長50cmを超えるブラックピラニア(別名:ピラニア・ブラック、学名:Serrasalmus rhombeus)なる超特大サイズのピラニアもいて、その名の通り、黒、もしくは濃いグレーの体表をしています。

黒という色柄、実際の大きさよりも大きく見え、更にずらりと並んだ切れ味バツグンの三角形の歯も相まって、かなり迫力のあるフォルムをしています。

そして、ピラニアといえば、やはり一番にイメージされるのが、川に入った獲物を大群で容赦なく襲い掛かり、人間であろうが、牛であろうが、数分で骨にしてしまうような、超獰猛な血に飢えた捕食者というイメージですよJね

でも、これは実は半分合ってて、半分はそうでないといった感じで、強力な捕食者である事には間違いないんですが、見境なく襲い掛かるというイメージが実際のピラニアに当てはまるかというと、実はそうではなかったりするんです。

意外に憶病なピラニアの性格

実はピラニア、特にピラニアナッテリーはけっこう臆病な性格でして、群れを成して襲い掛かるどころか、大きな動物が川の中に入ってきたりすると、そそくさとその場を離れてしまうことが多いんです。

そして意外に天敵も多くて、生息域が重なる世界最大級の淡水魚、ピラルクをはじめとする大型魚たちはピラニアを美味しく頂いたりしますし、乾季で河川が干上がり、ピラニアの行動範囲が狭まってくると、水鳥やカメなどにも、捕食されたりするんですね。

そして、驚くべきことに現地の方々は、ピラニアがウヨウヨいる川で平気で泳いだりしているほど。なので、私たちが思っているほど、現地ではピラニアはさほど恐れられておらず、私たちからみるとピラニアよりも知名度が低いカンディルという小型のナマズのほうがよほど恐れられているんです。(全く恐れられていないわけではありません。)こちら、釣り師であり、生物学者のジェレミー・ウエイド氏が自らを実験台にピラニアが数百匹泳いでいるプールでその立証をしている姿。

いかがです?プールで泳いでいるのは、まぎれもなくピラニア・ナッテリー。襲うどころか、完全無視でしょ。このようにピラニアは私たちが思う程、狂暴かというと、そうでもなかったりするんです。

では、ピラニアは私たち人間はじめ、牛や馬などといった、大きな動物を襲うというのは映画だけの世界で、実際には小魚などの小さい獲物を食べる魚なのでしょうか。

いやいや、このような立証動画があるとはいえ、油断は大敵。実はピラニアはあるものをきっかけに豹変するんです。

ピラニアは血の匂いを嗅ぎつけたり、獲物が暴れているような水の音を聞くと豹変する

実はピラニアがジェレミーさんが水中に入っても無視していたのには、ジェレミーさんの水中への入り方と過ごし方にヒントがあるんですね。ジェレミーさんは水に入る際、出来る限り水音を立てることなく、静かに入り、水中でも静かに座っていました。

この辺りが、ピラニアが対象を獲物と認識するか否かの分かれ道なんです。ピラニアは水中に入ってきた対象物が、溺れているかのごとく暴れていたり、対象が傷を負っていると、瞬く間に捕食モードに突入するんですね。

一匹が襲い掛かると、他の個体たちも猛然と獲物に押し寄せ、鋭い歯で肉を咬みちぎっていくんです。そして、後は私たちのイメージ通りの、恐怖の殺戮魚と化し、獲物を骨にしてしまうまで、その攻撃が続くというわけです。

なので、一旦火がつくと私たちがよく知る、ピラニアへと変貌を遂げる感じですね。

・・・いうまでもありませんが、ジェレミー・ウエイド氏は釣り師であると同時に、魚の生態を知り尽くした生物学者。ピラニアと泳ぐような機会はないかと思いますが、そんな機会に巡り合ったとしても、真似せず、粛々と辞退しましょうね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、ホホジロザメと並び、恐怖の殺戮魚と恐れられるピラニアの意外な真実に迫ってみました。ホホジロザメもピラニアも、いわばその生態の一部分のみがクローズアップされた、映画やメディアのある意味風評被害を受けてしまった生き物たち。

まぁ、この攻撃性もホホジロザメとピラニアの生態の一つなんで、間違いではないのですが、私たちもそのイメージにとらわれ、必要以上に拒絶反応を起こさないようにしなければですよね。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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