知っておかないと犬の健康や命に関わること ペットを迎える前に

元動物保護施設スタッフが教える 犬同士の喧嘩を絶対に甘く見てはダメな理由と喧嘩が起きてしまった時の対処法

こんにちは(^^♪えたばりゅです。
先日、友人ultramomさんと父ちゃんのところで暮らしている、友犬タロー君が綴るブログで、ちょっとこれは飼い主マナー違反でないの??っていう、記事がありました。その記事はこちら

流血のファミリーディ 無責任な飼い主

今回、タロー君はけがをしたものの、大事には至らずでよかったですが、相手の飼い主には少しマナーの教育が必要だと思われた方も多いのではないでしょうか。そして今回は、このようなアクシデントに、

どういった危険が潜んでいたか

をしっかりと私なりに発信したいと思いますので、ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

死ぬこともある! 犬同士の喧嘩で絶対気を付けなければいけないこと

上記のアクシデントはタロー君の父ちゃんのとっさの英断で規模が大きくならずに済みましたが、

これ、本当に危ないんですよね。

実際にこのような要因から、命を落とした犬もおります。そしてそのアクシデントは私が知る限り、そのシチュエーションにおいて、

人間側が注意をしておれば、防ぐことができたものばかりです。

中型犬クラス以上の喧嘩は人間では止められない

小型犬同士であれば、すぐに止めれば、大きなアクシデントに発展することは少ないでしょう。ただし、これが中型犬より大きな犬同士の喧嘩であった場合、犬たちが本気になれば、お互いの犬の気性によっては、

成人男性の力でも、人一人の力で引きはがすことはほぼ不可能です。

また、一度喧嘩になると、犬種やその犬の性格によっては相手が絶命するまで、攻撃をやめないこともあります。

そして、これが他にも犬たちが自由な状態でいる場所。いわばドッグランのような場所で、こういった喧嘩が始まってしまった場合、かなり危険な状態になる可能性があります。

どういう状態かといいますと、

いわゆる、リンチです。

喧嘩をしているどちらかの犬が、他の犬から集中攻撃に遭うことがあります。

なぜ、このようなことが起きるかは犬の本能にあります。犬はオオカミを祖先に持つ、社会性動物です。オオカミはじめ、イヌ科の動物たちは自分たちの糧を得るために群れで結託をして狩りをします。

要するに、獲物を群れの力でねじ伏せ、仕留めます。

これは、もちろん子孫の犬たちにも受け継がれている本能であり、長らく人間の伴侶動物として、暮らしてきた中でも失われるものではありません。一見するとかなり残酷な印象も受けるかもしれませんが、ある意味本能に沿った自然な行動なんですね。

普段は愛らしく、ひょうきんな仕草で私たちを癒してくれる、かけがえのないパートナーですが、

こういった一面を持っていることを絶対に忘れてはいけません。

そしてこのようなシチュエーションに遭ってしまった場合、その対象をすぐに救出するのはかなり困難な状況になってしまいます。そして、たとえすぐに救出できたとしても、咬まれ傷ではなく、別の要因で死んでしまうこともあるんです。

どういうシチュエーションでそのようなことに陥るかといいますと、ショック状態から、ある恐ろしい病気を併発することにあります。

ショック状態から引き起こされる尿毒症

たとえ、咬まれた傷がそんなに深いものではなくとも、攻撃を受けたことによるショックから、尿が出なくなってしまうことがあります。

尿が出ないということは、尿を作る腎臓が機能しなくなり、体の毒素を排出することができなくなります。すると急激に腎臓の働きが弱まり、急性腎不全を引き起こします。急性腎不全は慢性腎不全とは違い、急激に腎機能が衰えますので、処置が追い付かないことがよくあります。

腎臓がそのような状態になりますと、尿を生成することができず、ショック状態で尿を出すこともできないので、体に急激に毒素が溜まり、尿毒症を併発します。

尿毒症になると、残念ながら、命を落とす可能性は極めて高くなります。

このように、こういったアクシデントで犬を死に至らしめるのは、何も咬まれ傷だけではないということなんですね。

また、これは集中攻撃を受けた場合だけでなく、1対1の喧嘩でも起こりえることです。ですので、犬同士の喧嘩があった場合は、動物病院に行くことは当たり前ですが、尿が出るかどうかをしっかりと注意してみておく必要があります。

1日を通して、もし尿が出なければ、ショックが続いている可能性があります。

どちらかというと、こういったアクシデントで警戒すべきは、けがの状態にもよりますが、尿毒症の方だといえるのではないでしょうか。

では、こういったアクシデントを防ぐには、またそれが起こった場合、一刻も早く鎮静化させるにはどういったことに気を付ければいいでしょうか。

ドッグランで犬同士の喧嘩に備えて気を付けるべきこと

初めてのドッグラン参加では、いきなり犬を自由にさせないこと

ドッグランで、犬同士が自由に楽しく遊ぶさま、本当に微笑ましく、飼い主としても嬉しいですよね。ですが、いきなり自由にするのは本当に危険な要素があります。

犬同士でも、人間と同じく、相性があるもの。もっと砕けた言い方をすれば、

犬同士のウマが合わない事がある

ということです。犬は本能に沿って行動します。目の前に気に入らない相手がいれば、力に訴えてそれを排除しようとします。

ですので、初めてのドッグランではいきなり自由にはさせずに、リードで場内を散歩させるようにしましょう。そして、できればドッグランの先輩たちにもご協力いただき、まずはリードを持った状態で、お互いを近づけてみるようにしましょう。

それで大丈夫なようであれば、今度はリードを付けたまま自由にさせてみる。

それでも大丈夫なようであれば、リードを外してみる。

といった具合です。

上記の過程で、どこかで躓く(つまづく)ようなことがあれば、ドッグランはほかの犬がいない時間にして、他の犬が入ってくれば場所を譲るようにしましょう。

そして、ドッグランデビューの日は、いきなり犬を自由にさせてはだめです。やはり何事も段階が必要です。犬を気兼ねなく、遊ばせるための必要な行程と思っていただけたら幸いです。

特に飼い犬がボス気質であるときは注意が必要。犬は社会性動物であることは先ほど述べた通りですが、その群れに自分がボスと認める存在がいなければ、自分がボスになろうとします。

こういった性格の犬は、しっかりと飼い主の制御に従うようにトレーニングしておくことをお勧めいたします。

いざというときのために、複数のバケツに水を溜めておく

これは、万が一喧嘩が始まった時のために用意しておくものです。喧嘩が始まったらそれを喧嘩をしている犬同士に向かって、勢いよくかけてください。

この時重要なのは、ためらったらダメだということです。

そこに別の飼い主が居ようが、関係ありません。

他の犬が濡れようが関係ありません。

人間や犬が濡れてもまた乾かせばいいことですし、万が一風邪をひいたとしても死んでしまうよりは絶対いいはずです。

いわば、緊急事態です。

水をかければ、喧嘩中の犬も一瞬怯み、その牙を離します。その離した瞬間にお互いを引きはがしてください。


かけるときはこんな感じにできるだけ勢いよく。・・・一応念のため、お断りしておきますが、もちろん、かける対象は喧嘩してる犬にですので、お間違えなく・・・。例え普段から気に入らない飼い主がいるからといって、ここぞ( ☆Д☆)とばかりにその方にかけるのはやめましょう。

ですので、水を張るバケツは水を張った状態で持ち運びが出来る範囲で、できるだけ容量が大きいものを用意しておくといいでしょう。

もちろん、これはすべての犬に効力を発揮するわけではなく、闘争本能が激しければ、水をかけても怯まない場合もあります。ですが、止める可能性を少しでも広げるためには、用意しておいて損はないかと思います。

そして、ドッグランにお越しになる飼い主様の間で、不測の事態にはこうやって対処しようということも、予め、周知しておけば、あとで濡れたとか、水をかけられたとかという、要らないトラブルは防ぐことができると思いますので、普段からこういった話し合いはしておくのがいいかと思います。

犬から目を離さないこと

ドッグランに参加する以上、自分の飼い犬の動向には常に注視を怠らないことが必要になってきます。

もちろん、ドッグランは飼い主も犬も楽しむ場ですので、神経をすり減らしてまで、監視する必要はありませんが、不測の事態が起こる可能性はないか。そういったことは常に注意しておく必要があります。

もちろんでありますが、飼い犬をドッグランに入れたまま、飼い主がその場を離れるのは言語道断です。

喧嘩になりそうなサイン


この画像のように、楽しそうにおもちゃで遊んでいたのに他の犬が近づいてくると、こわばった表情になった時は要注意です。

ここで、参考までですが、犬同士の喧嘩が始まる前兆にありがちな、犬の仕草をいくつかご紹介しておきます。

  • お互いの肛門を嗅ぎ合ったまま、微動だにしない。尻尾はどちらも天を突いている状態。
  • 自分が遊んでいるおもちゃに他の対象が近づいたときに、尻尾の振り方が変わる。
    ブンブン振っている状態→ユラユラと左右に揺らしている状態
  • 他の犬が入ってきたときにその犬から目線をそらさず、突進していく(いわゆるロックオン状態)
  • 犬同士のじゃれ合いが段々とエスカレートしている(激しくなっている) など

これらの仕草が見受けられたときは、喧嘩に発展するケースがありますので、すぐにリードを付け、お互いを遠ざけるようにしてください。また、ドッグラン広場に、食に執着する犬がいた場合、おやつなどを与えるのも控えるようにしましょう。

もちろん、これらの動作以外にも、少しでも飼い犬の様子がおかしければ、すぐにリードを付け、ドッグランから出るようにしましょう。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、ドッグランなどの犬が集まる場において、注意するべきことを発信させていただきました。

今回はちょっと言葉が激しい部分もあり、お気を悪くされた方もいらっしゃるかもしれませんが、これを知っているのと知らないのでは、万が一不測の事態が起きた時に大切な愛犬を守れる可能性が大幅に大きくなります。ですので、大事な飼い犬を守るために必要なことだと、ご容赦いただければ幸いです。

ドッグランとは、本来運動好きな犬たちが思う存分羽を伸ばせる場であり、犬と飼い主が思いっきり遊べる場、そして犬同士の社交の場でもあります。

ドッグランという素晴らしい施設が、今後も有効に作用していくよう、飼い主としてもしっかりと気を付けるべきところは気を付けていきたいものですよね(^^♪

では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます(^^♪

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