こんにちは。えたばりゅです。
今回は、日本に生息する「ジムグリ」というヘビを、地球の核に到達するほど掘り下げてみようと思います。
日本のヘビとしてはマイナーですが、とても面白いといいますか、魅力的な生態や特徴を兼ね備てるんですよね。そのあたりも今回はバシッとビシィっと、ご紹介してみようと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
【日本固有種】ジムグリ 超マイナーなヘビに秘められた魅力的すぎる生態と特徴とは
日本にいるヘビは??
って聞かれるとやっぱり真っ先に思い浮かぶのが、
- 二ホンマムシ
- アオダイショウ
といったヘビですよね。ほかにも、有毒か無毒かで長年議論され、最近になって毒持ち、それも日本最強の毒を持つことが判明した、ヤマカガシ。他にも沖縄の荒くれ代表選手、ホンハブ。なんかを思い浮かべられるかもしれません。
あとは、シマヘビとかかな。
でも、日本のヘビは??って聞かれて真っ先にジムグリの名前を挙げる方はなかなかいらっしゃらないかと思います。
実は日本には陸生のヘビだけで30種以上もの蛇が生息してるんですよ。意外に多いでしょ?
では、そんなマイナースネークの中でも、その最右翼、ジムグリのスペックを簡単にご紹介させていただきましょう。
ジムグリの基本スペック
ジムグリは、英名を「Japanese Forest Ratsnake」、学名を「Elaphe conspicillata」という、有隣目ナミヘビ科に属するヘビの一種で、体長は約1mほどと日本最大のヘビ、アオダイショウの半分くらいの大きさですね。
生息地域は、北は北海道から、南は鹿児島大隅諸島までと、ほとんどの地域に生息しておりますが、国外には生息しておらず、ニホンマムシやホンハブと同じく、日本にしか生息していない、固有種でございます。
広島県では、「つばかり」、「ひばかり」っていう地方名もありますが、ヒバカリというヘビは、また別にいましてですね。こちらも日本固有種のヘビでございます。
ジムグリとヒバカリの記事はこちら
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ジムグリとヒバカリ日本に生息する珍しいヘビ
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このように、マイナーながらも日本に広く生息しているジムグリ、生息エリアとしては、ニホンマムシとほとんど変わりません。では、なぜジムグリというヘビがあまり世間一般に知られていないのか。
ひょっとして絶滅が危惧されている危険性があるのでしょうか。
日本固有種ジムグリの保全状況
環境省が定めるジムグリのレッドデータによると、
- 東京都、千葉県で絶滅危惧Ⅰ種
- 徳島県、島根県、福岡県で準絶滅危惧
に分類されているものの、他の地域では比較的安定(ただし、情報不足・その他に分類されている府県9か所あり)生息している様子。
レッドデータ自体は、ニホンマムシと生息状況はそんなに変わりません。
にもかかわらずジムグリがこれらのヘビたちに比べ、認知度が低いのはどんな理由があるのか。
実は、ジムグリがマイナーな原因の一つとして、ジムグリが持つある変わった生態と特徴に秘密がありそうです。では、まずジムグリが持つ面白い生態をご紹介していきましょう。
ジムグリにみられる珍しい生態1.地面によく潜る
ジムグリの変わった生態の一つとして、地面によく潜るという生態があります。ジムグリは標高が低い山地の森林、水辺を好んで生活の場としておりますが、その名前の由来「地潜り→ジムグリ」のとおり、地中や石の下、木の下などに好んで入る生態を持ってるんですね。こういった性質から普段あまり人目につくことはなく、ジムグリが珍しいヘビとされる一因であるといえます。
また、このような性質ですので、地面に潜りやすいよう、ジムグリの頭部は他のヘビに比べて小さくなっております。
ジムグリにみられる珍しい生態2.年に2回絶食期間がある
元々爬虫類は、一度獲物を捕食すると、しばらくの間何も食べなくても生きていけるように適応している種が多いのですが、このジムグリに関しても、それは当てはまります。ジムグリ自体が活動停止し、冬眠する冬場はもちろんなのですが、ジムグリは夏場も積極的にエサを探さなくなります。
その理由として、ジムグリは地中にいるネズミの幼体を好んで捕食しており、ネズミの産卵期が春と秋であることから、それに合わせて摂食期間を設けていると考えられています。
では、ジムグリの特徴をいくつかご紹介していきましょう。
ジムグリの特徴 幼体と成体で見た目が全然違う
ジムグリが持っている第一の特徴として、幼体と成体とでは全く見た目が違うこと。パッと見ただけでは、全く違う種類のヘビといっても過言ではありません。
上の画像がジムグリの幼体。
頭の「V」の字の模様が目立ちますよね。これは、ジムグリの幼体のトレードマークとも言ってもいい特徴で、この「V」の字のラインは目から頬にかけても続いており、まるでメガネをかけているような様子から、ジムグリの学名の由来にもなっており、これは大人になるまで残ります。
また、体の色も鮮やかなオレンジ色ですが、これもジムグリの幼体の特徴。
成体になると、色は変化して薄い茶色に変化します。
こちらがジムグリの成体の姿。
頭のV字や体の模様はほとんど見られなくなり、体の色も全然幼体と違います。もっと言えば、※腹部を見ればジムグリってわかりますが、ぱっと見、私たちがよく知るアオダイショウとそんなに変わらない印象を持ったのではないでしょうか。
※ジムグリの腹部は黒い模様があり、モザイクというか、タイルというか、煉瓦というか、面白い模様になってるんですね。それが元禄模様に似てることから、別称元禄へビなんて呼ばれ方もしてます。
こういった特徴から、ジムグリの成体を見ても、アオダイショウと勘違いされ、ジムグリと認識されないケースが考えられ、ジムグリの認知度を低くしてる可能性が考えられます。珍しい種なので、もし探したりせずとも見かけたなら、幸運というところでしょうね。
ジムグリは無毒でおとなしいヘビ
幼体はオレンジ色に、黒の斑点と、いかにも毒蛇という出で立ちですが、ジムグリも無毒の種類が多いナミヘビ科(ヤマカガシは有毒)のヘビの例の漏れず、毒は持っていないんですね。
また、性格も大人しく、追い詰められて自身に危険が及ばない限り、咬みついてくることは少ないです。
ですのでもし見かけても、イタズラしたりせず、そっとしておいてあげましょうね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は日本に生息する固有種ジムグリについてご紹介させていただきました。アオダイショウやニホンマムシに比べるとマイナー感否めないヘビですが、こうして詳しく見てみるとメッチャ魅力的なヘビっていうことが分かりますよね。
ただ、安定生息ながらも地域によっては絶滅の危機が迫っているヘビ。将来しっかりと生息地域全体で安定的に生息できるようにして行かねばですね。
では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。