こんにちは。えたばりゅです。
今回は、太古の最強生物、恐竜たちの中でも、特に人気のある2大スターといっても過言ではない、ティラノサウルスレックスとスピノサウルスをご紹介しつつ、両者の違いなどを徹底比較してみたいと思います。
どちらも、肉食恐竜としては、最大クラスの巨体を誇っていますが、実は比べてみると、結構違いがあったりするんですね。ではでは、早速ティラノサウルスレックスとスピノサウルスの魅力に迫っていきましょう。
太古の2大スター、ティラノサウルスレックスとスピノサウルスを徹底比較!
恐竜といえば、太古に生きていた、巨大な爬虫類っていうのが、私たち一般人の認識ですよね。ただ一口に恐竜といっても、その種類は様々で、食性、大きさ、生きた時代はもちろん、現在もまだまだその謎が解き明かされていない、神秘の生き物。そんな恐竜たちが繁栄した期間は中生代といわれる時代で、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の3つの時代から成り立っています。
その中生代と呼ばれる期間は今からおよそ、2億4800万年前~6500万年前の1億8300万年間という途方もない期間。・・・っていうか、凄すぎて、もはやよくわからない期間ですよね。因みに人類の祖アウストラロピテクスが誕生したのが、今から約400万年前(一説には500万年前)といわれております。
恐竜たちの時代に比べると、私たち人類が繁栄している期間など、まだまだ序の口っていうのが、本当に分かりますよね。ではでは、まず、ティラノサウルスレックスとスピノサウルスはおろか、恐竜たちのアダムとイヴと呼べる恐竜たちの始まりは一体どのような姿をしていたのか、そのあたりからご紹介していきましょう。
恐竜たちの全ての始まり、エオドロマエウス
こちらが、一番恐竜と呼ぶ動物の中では、一番最初に現れたと考えられている、エオドロマエウス(Eodromaeus)で、名前の意味は暁(あかつき)のランナー。シブすぎる名前ですよね。「暁」でお分かりの通り、この恐竜から恐竜たちの時代が始まったといえます。
そんな恐竜たちのパイオニア、エオドロマエウスの食性は肉食。そうなんです。実は最初の恐竜は肉食だったんですね。そしてこの肉食である、エイドロマエウスから、より効率よく食べ物を摂取できる草食恐竜と草食恐竜を食べる肉食動物たちへと枝分かれしていったと考えられています。
また、ティラノサウルスレックスやスピノサウルスなどの肉食恐竜たちは多くが獣脚類という種類に分類されているんですが、はじめはこの獣脚類でありながら、植物を食べていた種もいたりしたんですね。
植物を食べた獣脚類、アシリサウルス
獣脚類といえば、やはりそのイメージはゴリゴリの肉食性というイメージ、っていうか、肉食恐竜=獣脚類といったイメージですが、このアシリサウルスに関しては、獣脚理宇位でありながら、植物を食べていたと考えられているんです。
その根拠として、まず、歯の形状が挙げられているんです。肉食恐竜の歯は肉をかみ切りやすいようにナイフのような形状をしているのに対し、草食動物の歯は植物をすりつぶしやすいように平たい形状をしています。このアシリサウルスは、れっきとした獣脚類なのですが、歯の形状は植物食恐竜の特徴を持っています。この恐竜を見た時には、この恐竜が肉食と植物食の橋渡し的な存在になったのかなと思ったのですが、そのあたりの真偽は不明ですね。
ではでは、いよいよティラノサウルスレックスとスピノサウルスのご紹介に入っていきましょう。
それぞれの時代の頂点捕食者、ティラノサウルスレックスとスピノサウルス
こちらが、白亜紀、恐竜時代最後を飾った頂点捕食者、言わずと知れた恐竜王ティラノサウルスレックス。
そして、こちらがジュラシックパークシリーズがきっかけで、一気にスター恐竜へと上り詰めた、、当時のアフリカ大陸の雄、スピノサウルス。
いや~・・・なんて言うか、今更言うまでもないですが、両者共々堂々過ぎる威風ですよね。
では、両者の頭部からそれぞれ比較してみましょう。
ティラノサウルスレックス(T-REX)で下がスピノサウルスの頭部の比較
こちらがティラノサウルスレックスの頭部のアップ。
そして、こちらがスピノサウルスの頭部。
まず頭の形状を比較してみると、ティラノサウルスレックスの頭部は見るからに巨大で、がっしりとしているのに対し、スピノサウルスが比較的細長い形状をしています。これは、それぞれの食性の違いからこのような違いが生まれていて、ティラノサウルスレックスの頭部は獲物の骨まで噛み砕けるような構造になっており、それに対しスピノサウルスは水場の獲物(魚など)をガッチリと捕らえるに適した構造になっています。
でこちらが両者の歯の化石。歯の形状を見てもT-REXは骨をかみ砕いても大丈夫なように太い円錐形をしており、スピノサウルスは細長い形状で、ぬめりのある獲物でもとらえやすい形状をしています。
では、次にそれぞれの前肢の違いを見てみましょう。
ティラノサウルスレックス(T-REX)で下がスピノサウルスの前肢の比較
こちらがティラノサウルスレックスの前肢。
そして、こちらがスピノサウルスの前肢。
前肢の形状も対照的で、ティラノサウルスレックスの前肢は頭や体の大きさ、その恐れられる風貌に対して、なんていうか、あまりにも小さい前肢ですよね。それに対してスピノサウルスはがっちりとした前肢を持っています。
ティラノサウルスレックスの前肢がなぜ、このように不釣り合いなほど、小さな前肢を持っていたかというのは、アゴのチカラで一発で致命傷を与えられるので、前脚が段々必要なくなってきたっていう説や、実は小さいながらも、結構な筋力を持っていたという説など、様々な説がありますが、未だその謎は解き明かされていません。
スピノサウルスのほうは、その体に見合ったガッチリした前肢ですよね。
スピノサウルスのほうは、ティラノサウルスレックスと違って、仮にもその強力な前脚を存分に生かしていたと考えられています。
ちなみに全長はティラノサウルスレックスが約12mで、スピノサウルスが約15mと、全長においてはスピノサウルスの方が一回り大きかったと考えられています。
リアルスピノサウルスと映画との相違点
スピノサウルスを一躍有名にした起爆剤は、やはり何といってもジュラシックパーク3といえるのではないでしょうか。映画では、あの恐竜王ティラノサウルスレックスをも打ち負かした圧倒的強さと存在感で鮮烈なデビューを果たしましが、研究が進んでいくにしたがって、あのジュラシックパーク3の姿と実際は違っていたことがわかってきました。
スピノサウルスは陸生というよりは水棲に適していた
映画では、がっちりとした後肢を使った二足歩行で陸上、水中問わずと暴れまわっていましたが、最近の研究で力強い前肢に対し、後肢の形状がかなり華奢にできており、二足歩行ではその体重を支えることが出来なかったことがわかってきたんですね。また、鼻の穴がワニのように上あごの先端上部についており、水中でじっと息をひそめながら獲物を待ち構えるのに適した構造になっていることが最近の研究によって明らかになったんです。映画では、後半あたりで、水中から人間たちに忍び寄るシーンもありましたが、あちらの方が実際のスピノサウルスの生態に近かったといえます。
そして、ティラノサウルスレックスとスピノサウルスはその生息した時期、そして生息場所共に全く違っており、実際にはあのような対決はなかったんです。いわば映画ならではの、ドリームマッチというところでしょうか。しかしそもそもなんで、スピノサウルスのような巨大で、インパクト絶大な恐竜が最近まであまり知られなかったのでしょうか。
スピノサウルス その不運な歴史
実は、スピノサウルスの化石の発見自体はそんなに最近という事ではなく、最初の化石の発見は1915年、ドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーによって発見されていたんです。しかし展示していた博物館が第二次世界大戦の被害に遭ってしまい、その際、誠に残念ながら、化石は博物館と共に破壊されてしまいました。
そのようなこともあり、最近までは研究者の間では認知はされていたものの、生態もわからない謎の恐竜とされていたのです。しかしながらそんな不遇の時代も2014年にスピノサウルスの全身骨格が発見されたことで終わりを告げます。その全身骨格で研究は急速に進み、様々なことがわかってきました。
ただ、ジュラシックパーク3が公開されたのは2001年。もちろん映画には製作期間がありますので、そういうことを加味すると、2001年よりも前からあのスピノサウルスを作り上げたことになります。そう考えると、凄ですよね。完璧ではなかったものの、実際の姿に近しい描写があそこまでできるというのはただただ感服の一言ですよね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、恐竜界の2大スター、ティラノサウルスレックスとスピノサウルスの違いを両者の身体的特徴から徹底比較してみました。太古の生き物ですので、現在では生のティラノサウルスやスピノサウルスを見ることはかなわないですが、両者共々、食物連鎖の頂点に君臨するにふさわしい存在。今よりもさらに研究が進み、より実際の彼らの姿に近い姿がまた、明らかになっていくのでしょうね。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。