こんにちは。えたばりゅです。
長年無毒とされながら、近年の研究でなんと日本の陸生のヘビで最強の毒を持つことが分かったヤマカガシをご紹介したいと思います。
この「日本の危険生物カテゴリ」の記事では、そんなヤマカガシをはじめ、日本の危険生物たちを紹介し、お互いののために、接触をできる限り避けるにはどのようにすれば良いのか、万一刺されたり咬まれたりした時にはどうすればいいのか、などの対処法をご紹介させていただきたいと思います。
中には、対処が遅れると命に危険が及ぶような、猛毒を持つ動物たちや、人のチカラなど到底及ばないようなパワーを持っている動物たちも日本には生息しております。このコーナーではそういった危険で警戒すべき動物たちにスポットを当ててご紹介させていただき、動物、人、お互いの安全のために極力遭遇を防ぐための方法などをご紹介したいと思います。
ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
ヤマカガシ 実はマムシやハブよりも強い日本最強の毒の持ち主だった!
ヤマカガシは、英語名を「Tiger keelback 」、学名を「Rhabdophis tigrinus」という、ナミヘビ科ヤマカガシ属に属するヘビの仲間で、日本では北海道、南西諸島を除くほぼ全域に生息しています。体長も約1~1.2mほどで容姿も特に変わったところもない為、少し前まではあまり認知度としては高くありませんでしたが、日本ではヤマカガシはある事が分かったことで、その認知度も飛躍的に高くなりました。
ヤマカガシは実は毒持ちだった!毒の強さは日本の陸生のヘビでは最強の猛毒
ヤマカガシは長らく無毒とされておりました(ちなみに私が幼少期拝読した図鑑でも無毒とありました)が近年、有毒であること分かりました。
しかもその毒性、結構強く、血液を凝固させる成分の毒を備えており、以前までは日本に住む陸生のヘビではマムシが一番強い毒を持つとされておりましたが、現在はヤマカガシがマムシを抑え、日本に生息する陸生のヘビでは最強の毒を持っていることが分かっております。
ヤマカガシの毒は非常に強い血液凝固作用を持っており、咬まれると最悪脳出血などの重症を伴い、命に関わることがあります。しかも、毒は咬むことによってのみ相手に注入するのではなく、頸部にも毒腺があり、つかんで頸部などを圧迫すると、毒腺に蓄えられた毒が飛び散ってしまうんです。その毒が目に入ると最悪失明も有りうるので、上記のようなヘビに遭遇しても絶対に触らないようにしましょう。
ヤマカガシが無毒とされていた理由
長年無毒とされていた理由として、ヤマカガシの毒を注入する牙は奥のほうにあり、その長さも約2mmと非常に短く、さらに独占を圧迫して毒を出す機能を備えた筋肉が無いため、少し咬まれたくらいではその毒が注入されないこともあります。
また、ヤマカガシの毒は、獲物の毒性が体内で蓄積されるタイプの毒。獲物であるヒキガエルを捕食することにより、毒を体内に蓄積しますので、ヒキガエルのいない宮城県の金華山付近に生息する、ヤマカガシは毒を持っていないことが分かっております。
このように、咬まれても、その咬まれ方によっては、毒を注入されないことがあるということと、生息地によっては、無毒な個体もいることから、ヤマカガシが有毒と特定するのに時間を有したという経緯があります。
ともあれ、多くの地域ではヒキガエルは生息していますので、見かけてもくれぐれも近づき過ぎないようにしましょう。
では、いい機会なので、ヤマカガシの他に日本に生息する有名どころの主だったヘビたちをご紹介しておきましょう。
日本に生息している主だったヘビたち
日本に生息している陸生のヘビの主だった種は今回ご紹介しているヤマカガシの他、
- アオダイショウ(無毒 日本ほぼ全土に生息 固有腫)
- シマヘビ(無毒 日本ほぼ全土に生息 固有腫)
- ニホンマムシ(有毒 沖縄諸島を除くほぼ日本全土に生息 固有腫)
- ハブ(有毒 沖縄本島、奄美諸島に生息 固有腫)
などといった4種類が代表的といえます。それでは、各種類の画像と性格などを軽くご紹介していきましょう。
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日本に生息する代表的なヘビ1.アオダイショウ
比較的大人しい性格。樹上を好む傾向もあり、木の上などでも見られる。体色はオリーブグリーン。アオダイショウのアルビノはシロヘビ伝説としても有名。体長は約150cm。最大2m超。
日本に生息する代表的なヘビ2.シマヘビ
日本に住む蛇の中では比較的攻撃的とされております。木にはあまり上らない。体色は薄い茶褐色に横縞模様。(稀に縞が無い個体や、黒変種、アルビノ)体長は約150cm。最大2m超。
日本に生息する代表的なヘビ3.ニホンマムシ
大人しい性格ではあるが、追い詰めたりすると自衛のために攻撃に転ずる。体色は薄い茶色に茶色のまだら。毒蛇の代表的特徴ともいえる三角形の頭を有する。体長は約80cm。最大約1.2m超。
日本に生息する代表的なヘビ4.ハブ
性格は攻撃的。マムシと同じく典型的な三角形の頭を有する。体長は約1.5m。最大で約2.4m。
いかがでしょう。無毒か有毒か。そのあたりだけでも押さえておきたいですよね。また、アオダイショウやシマヘビに関しては無毒ではありますが、それはあくまで毒の有無ということに限ってのことであり、咬まれることによって破傷風などの感染症を引き起こす場合がありますので、無毒だからといって、ヘビに対してちょっかいをかけたり、近づいたりはしないようにしましょう。
また、毒の有無にかかわらず、咬まれた際は必ず病院で処置をしてもらうようにしていただけましたらと思います。
ヤマカガシに出会わないために
ヤマカガシはその性格的に水場の近くのような湿気のある場所を好むため、街中よりはどちらかというと、ハイキングや山登りなどに出かけた際に遭遇することが多いヘビですね。
最強の毒は持っているものの、その性格は比較的おとなしく、また警戒心も強い為、自分より大きな動物の気配がするとヤマカガシのほうから距離を置くことが多いです。ただ、物陰や倒木の陰などに隠れているヤマカガシに気付かず、うっかり近づいてしまうと、ヤマカガシも自分の身を守るためにこちらを攻撃してくることがあるんですね。
なので、山などに出かけた際は不用意に石の下や木の下に手を突っ込まないことが大事。また、倒木などに腰かけて休む際にも下にヤマカガシがいないかどうか確認するようにしましょう。
ヤマカガシに万が一咬まれてしまったら
もし、万が一ヤマカガシに咬まれてしまった時。先ほど、毒牙があまりに小さい為、噛まれても毒が注入されないこともあると申し上げましたが、油断は禁物。少し前の事例になりますが、兵庫県の宝塚で、とある少年がヤマカガシを捕まえ、カバンに入れて取り出そうとしたところ、咬まれてしまい、一時期意識不明に陥り重症化してしまったケースもあります。
なので、ヤマカガシに咬まれた際は、毒が体内に入った可能性を見越して、傷口を吸引機などを使用して、出来る限り吸いだします。よく口で吸い出そうとしたりする方がおられるのですが、口での吸出しは口の中に傷がある可能性があるので厳禁。絶対に吸引器を用いて吸い出すようにしてください。
その後流水でしっかりと患部を洗い流し、幹部よりも心臓に近いほうを軽く縛り、出来るだけ早く病院で処置を行ってください。
そして、ヤマカガシに関わらず、有毒生物に咬まれた時の注意点は・・・
- 絶対にパニックを起こさない。
- 慌てない。
- 走らない。
- 酒を飲まない。
などです。有毒生物に咬まれたり、刺されたりした後で飲酒するほどの剛の者の方はなかなかおられないとは思いますが、ハイキングなどで楽しくお酒が入った後に、こういった事故に遭う可能性は少なくなく、このほかにも血流を早めてしまうような行動は毒の回りが速くなるので絶対にしないようにしましょう。
最後に
いかがだったでしょう。今回少年がヤマカガシに咬まれた場所は宝塚市ということで、一見すると街中の印象がありますが、報道でもありましたとおり、咬まれた現場は木々などが生い茂る、自然環境がある場所になります。
ですので、そういった場所に赴く際にはヘビなどを見ても触ったりしないようにお子様などに注意喚起をしていただけましたらと思います。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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