動物雑学

北極と南極の動物たち どっちも行き来する驚愕の動物とは!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は極地世界である、北極と南極に住んでいる動物たちにスポットを当てていきたいと思います。

極地に住んでいるといえば、やはりホッキョクグマやペンギンが有名どころですが、中にはこの極地でびっくりするようなことをやってのけている動物もいるんですね。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただければと思います。

北極と南極で暮らす動物たち 中には両方を行き来する超ツワモノもいる!

どちらもとても寒い・・・

というか、生きていくには非常に厳しい厳寒の世界という印象ですが、ご存じと通り過酷な環境の中でもその環境に見事に適応し、豊かな生態系が成されております。

少し前に、南極点など南極大陸内陸部にはほぼほぼ動物はいない環境というお話をさせていただきましたが、南極大陸も沿岸部やその近隣海域、周辺諸島を含む南極圏地帯では海洋生物を中心に、多様な動物たちが暮らしております。

ただ、似た環境とは言え、いわば地球の端と端。地球1周の距離が約4万kmなので、単純に半周分としても約2万kmもの距離があります。

ですので、北極にはいて南極にはいない。またはその逆ももちろんなのですが、一方に入るけれども一方にはいないっていう動物はたくさんいるんですね。

では、そんな動物たちの代表例をご紹介していきたいと思います。

北極圏に生息していて南極圏には生息していない動物たち

では、まず両極地のうち北極圏には生息しているけど、南極圏にはいない動物たちをご紹介したいと思います。

両極地のうち北極圏にのみ生息している動物1.クマ(ホッキョクグマ、ヒグマ)

もうホッキョクグマはその名前に「北極」という名を冠しているので、言わずもがなですが、ヒグマの仲間の一部も北極圏に生息しているんですね。

ですので、ホッキョクグマと行動範囲が重なることもあり、自然界では「ハイブリッド」と呼ばれる、ホッキョクグマとヒグマの交雑種もいたりするんです。

このようにクマは北の方の寒いところにいるイメージが強いですよね。そのイメージ通り、メガネグマ、マレーグマといった一部のクマは北半球から南半球かけてが生息地域となっておりますが、多くのクマは北半球地帯を主な住みかとしております。

クマの仲間で一番南端が生息地域であるメガネグマも南米ボリビア近郊が生息地域の南限とされているんですね。

両極地のうち北極圏にのみ生息している動物2.トナカイ、ジャコウウシ

トナカイやジャコウウシといった大型の草食哺乳類も寒いところに住んでいるイメージがありますが、南極圏には住んでいないんです。

ただ、トナカイに関しては過去人間によって持ち込まれた者たちが南極圏の一部の島で外来種として繁殖しており、問題になっております。

両極地のうち北極圏にのみ生息している動物3.セイウチ

セイウチは海生哺乳類ですし、寒いところに住んでいるイメージが定着している動物の1つ。なんか南極にも普通に居そうですが、セイウチも南極圏には住んでいないんですね。

このように、北極圏には生息しているけれども南極圏にはいない動物は意外と多く、他にも

  • ホッキョクオオカミ、ホッキョクギツネなどのイヌ科の動物
  • レミングなどのげっ歯類(人為由来の侵入種は南極圏にも生息)
  • ホッキョククジラ、イッカク、シロイルカ(ベルーガ)
  • オンデンザメ、ニシオンデンザメなどサメの仲間

などの動物たちがいます。

南極圏には生息していて、北極圏には生息していない動物たち

では次に南極圏には住んでいるけれども、北極にはいないという動物をご紹介したいと思います。

両極地のうち南極圏にのみ生息している動物1.コウテイペンギン、アデリーペンギン

ホッキョクグマやセイウチが南極に居そうなのと一緒で、ペンギンもいかにも北極圏に居そうなイメージですが、実はペンギンは北極圏には全く住んでいないんですね。

少し前にもご紹介したので、もうご存知かと思いますが、ペンギンの仲間の生息地の北限は現段階ではガラパゴス諸島。

南極大陸やその近郊の南極圏にはコウテイペンギン、アデリーペンギン、キングペンギンをはじめ、多くのペンギンたちが暮らしておりますが。北極圏にはペンギンは全く住んでいないんです。

コウテイペンギンとキングペンギンの違いはこちら

両極地のうち南極圏にのみ生息している動物2.ゾウアザラシ、ヒョウアザラシ

ゾウアザラシにはミナミゾウアザラシとキタゾウアザラシの2種類いて、ミナミゾウアザラシは亜南極地域から南極大陸沿岸が主な生息地となっており、その仲間であるキタゾウアザラシはアラスカにも生息しているのですが、北極圏には今のところ生息していません。

ヒョウアザラシは北極のホッキョクグマ的役割を担っているアザラシの1種で、南極の食物連鎖の頂点付近に君臨している動物です。

その名の通り、ヒョウのような斑点が体にあるのが特徴で、オキアミなどのプランクトンから他のアザラシやペンギンまで幅広い獲物を襲って食べています。

このヒョウアザラシは南極大陸周辺のみ生息しているアザラシで、北極には生息していないんですね。

この他にも

  • カニクイアザラシ
  • ウェッデルアザラシ
  • ロスアザラシ

といったヒョウアザラシと同じナンキョクアザラシ族も南極大陸周辺が生息地となっております。

いかがでしょう。同じような環境(実は南極に比べると北極は温暖)ながらも、その距離、そして環境から住んでいる動物たちはかなり違っていたのではないでしょうか。

でも、実はこの2万km隔たれたこの距離にもかかわらずどちらの圏内にも生息している超ツワモノがいるんです。

北極圏、南極圏どちらにも生息している超ツワモノたち

では、北極圏、南極圏を股に掛ける旅の神とも言っても決して過言ではない動物たちをご紹介していきましょう。

北極圏、南極圏どちらに見も生息している動物1.キョクアジサシ

あまり聞いたことがないかもしれませんが、キョクアジサシはアジサシという鳥類の仲間で、漢字で書くと「極鯵刺」と書きます。この「極」は極地のことを意味しているのですが、なぜ「北」も「南」もつかないかというと、北極、南極両方を行き来する渡り鳥だからなんです。

体長は約30cmほどとハトくらいの大きさですが、そんな小さな体からは想像もできないような距離を常に渡り歩いているんです。

どちらの地域でも日の沈まない夏の間留まり、冬が近づくと片方の極地へと移動するんですね。ですので、このキョクアジサシは世界一長い距離を移動する渡り鳥の1種として知られています。

北極圏、南極圏どちらに見も生息している動物2.シャチ

シャチは北極圏、南極圏どちらにも生息している・・・といいますか、実はですね、いない海域はないっていう程、寒暖問わず世界中の海に生息しているんです。

もちろん、他の海域の地位にもれず、その最強捕食者っぷりは南極、北極でも健在で、両極地の食物連鎖の頂点付近にいる、ホッキョクグマ、ヒョウアザラシ、ゾウアザラシなどもシャチに襲われて捕食されることはあるんですね。

北極圏、南極圏どちらににも生息している動物2.マッコウクジラ

ハクジラの仲間としては世界最大で、あのダイオウイカを食すマッコウクジラもシャチと同じく、南極から北極まで非常に幅広い海域を生息地域としております。

北極圏、南極圏どちらににも生息している動物3.シロナガスクジラ

現在既知の生物の中で地球史上最大の大きさを誇るシロナガスクジラも北極圏、南極圏どちらでも見ることができるクジラになります。

ただ、その海域によって亜種に分かれており、北半球外洋と北極海の一部を生息しているのは、キタシロナガスというシロナガスクジラの仲間。

南極圏から南半球の外洋を行動範囲としているのは、ミナミシロナガスというシロナガスクジラの仲間で、どちらか一方が別の極地に移動するということはないと考えられております。

シロナガスクジラは外洋の海を回遊するクジラですが、北から南、南から北というよりはどちらかというと東西に沿って回遊しているようですね。

また、シロナガスクジラの他にもザトウクジラなども北極圏の一部の海域と南極圏の海で見られるヒゲクジラとして知られております。

このように2万km離れた場所でも、同じ種が生息しているというのは本当にびっくりですよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は北極、南極に生息している動物たちをご紹介してみました。同じよう厳寒の気候でも、やはり2万kmもの隔たりがあると、生息している動物たちも違うっていうのがよくわかりますよね。

中にはそんな距離をものともしない両極地を股に掛ける動物もいるっていうのもただただ驚愕だったのではないでしょうか。

私もキョクアジサシやシャチ、マッコウさんのように行動力のある人間にならなければとつくづく思う次第でございます。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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