日本の固有種手帳 個性あふれる日本在来種たち

【日本三大怪魚】ビワコオオナマズ あのブラックバスに対抗できる数少ない日本固有淡水魚

こんにちは。えたばりゅです。

今回は日本最大の湖に生息する、琵琶湖の主にして日本に生息する最大級の淡水魚、ビワコオオナマズをご紹介しつつ、その魅力に迫っていきたいと思います。巨大魚としてふさわしい肩書を持つビワコオオナマズの魅力とは?

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

ビワコオオナマズ 琵琶湖の主にして日本最大級の淡水魚の魅力に迫る!

ビワコオオナマズは英語名を「Lake Biwa catfish」、学名を「Silurus biwaensis」という、ナマズ目ナマズ科ナマズ属に属する、生粋のナマズの仲間で、学名の「biwaensis(琵琶湖由来の)」が示す通り、滋賀県の琵琶湖を中心に生息しており、現在のところ、琵琶湖と淀川水系にのみ生息が確認されている地域固有種でございます。なので、必然的に日本の固有のナマズということになりますね。

ビワコオオナマズ 琵琶湖の主にして日本最大級の淡水魚

世界各国、特にアマゾン川水系には様々なフォルムのナマズがいる中、ビワコオオナマズはなんといいますか、私たち日本人が一般的にナマズをイメージするフォルムに非常に合致した平べったい頭部にちょっとシャクれた口元、つぶらな瞳に長いひげという、「ナマズらしい」フォルムをしているのですが、「オオナマズ」という名前が示している通り、日本に生息しているナマズの仲間の中でも、最大の体長を誇り、その体長は何と1mを超えることもよくあって、中には1.2mを超える個体もいるんですね。日本では一般的な同属近縁種のニホンナマズ(マナマズ)の体長が約60cmほどですので、その倍ほどの大きさということになります。

ちなみに、日本に生息しているナマズの仲間に違わず、ビワコオオナマズもメスの方が大型化する傾向があり、オスの体長は大きくても1m前後の個体が多いですね。

ビワコオオナマズはイトウ、アカメと肩を並べる日本三大怪魚の一角

海外では2mを超える怪物級の淡水魚はピラルクやメコンオオナマズはじめ、比較的多く生息していますが、日本では1mを超えるような淡水魚は非常に珍しく、日本で確認されている淡水魚で現在2mを超えた記録を持っているのはイトウのみ。

ただ、イトウはシャケの仲間と同じく降海する習性があるので、純粋に淡水のみで生息する淡水魚としてはビワコオオナマズが日本最大級の淡水魚と知られており、北海道に生息するイトウ、西日本の太平洋側の沿岸部に生息しているアカメと並び、ビワコオオナマズは日本三大怪魚として数えられています。

イトウはその巨体からシカをも喰らうという伝承が残るほどの巨大魚。そして、アカメは1mを超える巨体と妖しく光る赤い目をもつ幻の怪物魚。そんな2種と肩を並べる肩書を持っていることもビワコオオナマズの凄さを物語っていますよね。

~良ければゼヒこちらの記事もどうぞ~

no image
【日本三大怪魚】日本にもいる!巨大魚と呼ばれる魚たち

こんにちは。えたばりゅです。 今回は、日本に生息する三大怪魚と呼ばれる魚たちをご紹介しようと思います。怪魚、巨大魚といえば、やはりアマゾン河のピラルクややメコン河のメコンオオナマズ、コンゴ河のゴライア ...

続きを見る

ちなみに同属であるヨーロッパの親戚、ヨーロッパオオナマズはさらに大型。2mを超えることもあり、現在確認されている最大の個体は何と約2.8m。潜在的には3mを超える個体もいると示唆されております。

琵琶湖の食物連鎖の頂点にして時にはブラックバスをも捕食

そんな日本三大怪魚の一角、ビワコオオナマズですが、その肩書にふさわしいといいますか、その食性も生粋の肉食。琵琶湖水系の食物連鎖の頂点に君臨しており、成長するとほぼ天敵は存在しません。

特に他の魚類を好んで捕食しており、アユやフナなどの中小型の魚類はもちろんのこと、現在外来種として猛威を振るっているブルーギルも捕食し、あのブラックバスを捕食できる、数少ない日本の固有種としても知られています。

ブルーギルは体長約20~30cmほどですので、20cmほどのブルーギルであれば、マナマズも捕食が可能といえそうですが、ブラックバスは50cm、種によっては80cmにもなる大型の肉食魚。これはマナマズはブラックバスに捕食こそされないものの、ブラックバスを捕食するのは少し無理があるといえます。

ただ、ビワコオオナマズはじめ、ナマズの仲間の多くは、サメのように獲物をかみ砕いて捕食するタイプではなく、獲物を丸飲みに近い形で捕食するので、さすがに80cmを超えるような大きなブラックバスを捕食するのは如何なビワコオオナマズでも無理があるでしょうが、1.2m級のビワコオオナマズとなると、30cmくらいのブラックバスであれば、十分捕食が可能といえます。ですので、琵琶湖水系ではある意味、ビワコオオナマズはこういった外来種の勢力拡大を食い止めている存在といえそうです。

ブラックバスやブルーギルはじめ、こういった外来魚に対抗できる在来魚は少ないですので、頑張ってほしいところですよね。まぁ、アレです。こういった外来魚も元々は私たち人間が持ち込んだものであり、ブラックバスやブルーギルはじめ、外来種たちも自分たちの種全体としての繁栄という本能に則って行動しているだけ。

なので、彼らに決して罪があるわけではないってことは、この場をお借りして強く発信しておかなければですが。

気になるビワコオオナマズの生息数について

そして、他の三大怪魚であるイトウにアカメは現在のところ、生息数がかなり減少しており、危急性がある種として扱われているのでビワコオオナマズもそのあたりが心配なところですが、ビワコオオナマズに関しては今のところ、環境省では絶滅のランク外として扱われております。ただ、生息地である琵琶湖を携える滋賀県、そして淀川がある大阪府ではビワコオオナマズは県、府独自にNT(準絶滅危惧)相当として指定しており、油断はできない状況といえます。

ビワコオオナマズも他の三大怪魚と同じように、EN(絶滅危惧 ⅠB類)やCR(絶滅危惧 ⅠA類)となってしまわないように私たちも出来る限りのことをして行かねばですよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、琵琶湖の主にして日本最大級の淡水魚である日本三大怪魚の一角、ビワコオオナマズの魅力に迫ってみました。イトウやアカメはどちらかというと、精悍な感じですが、ビワコオオナマズはそのつぶらな瞳といい、なんかそのフォルムとしては他の2種とは違った一面を持っている感じもされたのではないでしょうか。

もしかしたら、ビワコオオナマズも2mとまではいきませんが、1.5mを超えるような個体がこれから発見されるかもしれませんね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

-日本の固有種手帳, 個性あふれる日本在来種たち
-, , , , ,