動物雑学

蹴落とすなんてとんでもない!ライオンの有名な2つの格言は誤り!?実はライオンは超子煩悩!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は百獣の王、ライオンに関する2つの格言についてスポットを当てて、実際のライオンの性質との違いなどに触れてみようと思います。ライオンはそのイメージから、かなり厳格なニュアンスの格言が多いですが、これは果たして実際のライオンの性質にも当てはまるのか。

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

ライオンは本当に自分の子を殺したり、崖から落としたりするの!?その疑問をバッチリ解消!

ライオンといえば、やはり百獣の王として、力強いイメージがあるのではないでしょうか。実際に世界の数多くの国々でも、ライオンのその力強いイメージを自国の象徴にしようと、ライオンを国獣にしております。

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そんなライオン、その力強いイメージは日本でももちろん健在で、その威風と風格から神格化されることもよくあり、狛犬や沖縄のシーサーなど神の使いや守り神もライオンの姿がモチーフとなっております。

ただその一方、ライオンは自分の子に対して、かなり厳格なイメージがあったりしますよね。そのイメージを植え付けているのが、あの有名な2つの言葉と格言、「獅子(ライオン)の子殺し」と「ライオンは我が子を崖から突き落とす」ではないでしょうか。

いや~・・・なんというか、ライオンの子どもからしてみれば、どちらもかなり厳しいニュアンスの言葉ですが、実際のライオンは本当に我が子を殺してしまったり、崖から突き落としたりするのでしょうか。ではでは、早速ライオンの真実について迫っていきたいと思います。

実際のライオンは本当に自分の子供を殺したり、崖から突き落としたりするのか

まずライオンの子殺しについてなんですが、これは海外のドキュメンタリー番組でもよくクローズアップされているので、ご存知かもしれませんが、この言葉での「子殺し」というのは、自分の子どもではないんですね。

ライオンが子殺しを行うのは、別の群れの幼獣。

ライオンはネコ科動物としては珍しく、群れを作って生活しており、その群れは「プライド」と呼ばれ、1~数頭のオスをリーダーとして、複数のメスによって構成されています。群れには幼獣がいることがほとんどで、これはリーダーであるオスと、雌たちの間に生まれた子供になんですね。

この群れは、ほとんどのメスたちは血がつながっている血族で構成されていますが、オスに関しては群れでの地位が終身安泰というわけではなく、常に他の縄張りを狙うオス(はぐれライオン)に狙われております。

もしそういった縄張りを狙うライオンに、群れを束ねるオスが負けてしまうと、そのオスの子孫である、幼獣たちはその群れを乗っ取ったオスに殺されてしまいます。

これが起きる理由としては、幼獣がいるとメス達が発情しないので、新しく群れのリーダーとなった雄ライオンは子孫を残すことができないんですね。

ですので、群れを乗っ取ったオスたちは自分たちの子孫を残すために前のオスの子供を全て殺すというわけです。これが俗にいう「ライオンの子殺し」なんですね。なので、ライオンの子殺しという言葉は自らの子どもを殺してしまうということではなくて、ライオンのこのような習性をクローズアップしての言葉なんです。

ただ、これはライオンに限らず、グリズリーやホッキョクグマ、そしてトラやヒョウなど、他の捕食動物たちにも見られる現象であり、残酷なようですが自らの子孫を残すというものと、必然と強者の遺伝子が受け継がれていくという、自然の摂理に則った自然な行動といえるんです。

では「ライオンの子落とし」についてはどうなのでしょう。

獅子(ライオン)の子落としの格言と実際のライオンの習性

「ライオンの子落とし」とは、ライオンは自らの子どもをわざと谷底に落として、這い上がってきたものだけを育てるという、いわば試練を与え、その子の器量を試すという、いかにも百獣の王らしい厳しさを思わせる格言ですが、実際のライオンはといいますと・・・

・・・

お察しの通り、もちろんそんな事はしません。

突き落とすどころか、生まれた時は母ライオンは子育てに専念するために一時期群れを離脱し、ストレスのかからないところで生まれた子どもたちに分け隔てなく愛情を注ぎ、授乳に専念します。

そして、幼獣がある程度育つと、オスや他のメスたちが待つ群れに合流するのですが、オスも自分の遺伝子を持たない幼獣には上記のような行為に及びますが、我が子にはあらんばかりの愛情を注ぎ育てるんです。

まぁ・・・考えてみると、うん。ですよね。そりゃそうでしょ。

っていう感じですよね。

もちろんこれは、アフリカに生息するライオン、インドに生息するライオン共々に当てはまります。なので、実際のライオンたちは我が子を殺したり、崖から突き落としたりするようなことはなく、他の多くの動物たちと同じく、子煩悩な動物なんです。

ただ、幼獣のオスに関しては、将来自分の群れを持って独立しなければならないので、若獣に成長すると、その群れから追い出されるんです。そして、オスライオンたちは自ら背負っている過酷な使命へと立ち向かっていくわけなんですね。

ライオンのオスたちが背負っている過酷な運命に関しては、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、良ければこちらの記事も合わせてご覧ください。

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最後に

いかがだったでしょう。今回は、百獣の王ライオンの2つの有名な格言と言葉について、実際のライオンたちが本当にそのような行為に及ぶのか、そのあたりの真実について触れてみました。厳しい自然の摂理は垣間見えたものの、ライオンたちも他の動物たちと変わらず、我が子に対してあらんばかりの愛情を注ぐ動物であるというのがお判りいただけたのではないかと思います。

そんなライオン、動物園やサファリなどでも非常に人気が高く、なじみ深い動物ですが、実は野生のライオンたちは年々その数を減らしてしまっており、絶滅が心配されているんですね。

現在IUCN(国際自然保護連合)ではアフリカライオンをVU(絶滅危惧 Ⅱ類)、インドライオンをEN(絶滅危惧 ⅠB類)にランクしており、更にアフリカ西部に生息するライオンに関しては非常に危急性の高いCR(絶滅危惧 ⅠA類)にランクしているんですね。

ライオンが幻の動物、ひいては過去の動物になってしまわないよう、私たちも出来る限りのことをして行かねばですよね。ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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