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蛇島の主ゴールデンランスヘッドとは!?スネークアイランドに生息する幻の猛毒蛇に迫る!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は遥か南米の孤島、スネークアイランドに生息するゴールデンランスヘッドという幻の猛毒蛇に迫ってみようと思います。南米ブラジルでブッシュマスターとともに、危険視される猛毒蛇ハララカの5倍の威力を持つとされるその実態とは・・・

ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

【ゴールデンランスヘッド】南米屈指の猛毒蛇ハララカをも超越するという幻の猛毒蛇の実態に迫る!

画像提供:Wikipedia

ゴールデンランスヘッド。英名はそのままで「Golden lancehead」、学名は「Bothrops Insularis」というクサリヘビ科マムシ亜科ヤジリハブ属に属するヘビで、日本に生息しているニホンマムシやハブと比較的近縁な立ち位置にいるヘビでもありますが、南米でもかなり恐れられている猛毒蛇であり、現地でのその恐怖度はブッシュマスターを凌駕するともいわれているハララカと一番近い種とされています。それにしてもあまり聞きなれない名前のヘビですよね。とはいえ、何とも強者感がバンバン漂ってくる感じの名前ですが、その生息地も通称ヘビ島(スネークアイランド)といわれる島のみに生息しているヘビなんですね。

ヘビ島(スネークアイランド)とは

いや、ゴールデンランスヘッドも気になるけど、その前にスネークアイランドってどこよ?

ですよね。

わかります。

なんか、大蛇系のパニック映画、もしくはゲームに出てきそうな島の名前なんですが、現在の南米に実在する島でしてですね。

スネークアイランドは南米屈指の都市サンパウロの沖合に浮かぶ無人島で正式な島名はケイマダ・グランデ島といい、現在も続く間氷期に入り始めたころ、地球の気温もだんだん上がり始め、それとともに海面が上昇。その影響で南米大陸から切り離されて現在のケイマダ・グランデ島が誕生したと考えられています。

そしてスネークアイランドっていうその別名が何でついたかっていうと、もうこれはご想像の通りで、島にはかなりの数のヘビが生息していると当時は考えられていて、その数なんと43万匹にも上り、島の面積43万平行キロメートルから考えると1平方メートルに1匹の割合でヘビがいるっていう計算。まさにちょっと見渡せば、そこかしこにヘビがいるという感じですね。しかもその蛇っていう大多数はゴールデンランスヘッドで占められていると考えられていましたので、正に恐怖の毒蛇島という感じだったんです。

ただ、この数のゴールデンランスヘッドが生息していくには、獲物の数が少なすぎるという観点から、この数値は近年誤りであることが段々わかってきているんですね。というのも、この島にはゴールデンランスヘッドなどのクサリヘビ科が好んで食べるげっ歯類などの小型哺乳類が生息しておらず、ゴールデンランスヘッドは主に鳥類を捕食しているんです。そして、ゴールデンランスヘッドが主に捕食する鳥類は島に生息する鳥類のうち、わずか2種類であることが分かってきたんです。ゆえにその数は大幅に下方修正され、現在のゴールデンランスヘッドの推定生息数は2000~4000匹と考えられているんです。

ケイマダ・グランデ島の広さは日本列島の総面積よりも少し広いくらいですので、日本全国に4000匹しかないって考えると、やっぱりその数ははるかに少ないですよね。

そして、ゴールデンランスヘッドはこの島のみに生息する固有種。すなわち、多く見積もっても地球上にたった4000匹しかいないということになり、IUCN(国際自然保護連合)ではゴールデンランスヘッドをかなり危険度の高い危急種CR(絶滅危惧 ⅠA類)にランクしていて、この島自体もブラジル政府によって厳しく入島制限、管理されているんです。

後述しますが、ゴールデンランスヘッドは固有種であるが故の危険にも現在さらされているんですね。

ゴールデンランスヘッドの毒性

そして、ゴールデンランスヘッドのもう一つの気になる点である、その毒性なんですが、近縁に南米屈指の猛毒蛇ハララカ、そして日本でもおなじみの、ニホンマムシやハブが属するクサリヘビ科ということもあり、ゴールデンランスヘッドももちろん有毒。

危険生物ひしめくアマゾンでもとりわけ恐れられている、ゴールデンランスヘッドの近縁種ハララカの約5倍の毒性を秘めていると考えられているんですね。ハララカの毒性は出血毒。毒量も多く、生息地帯が人の生活圏とも重なるため、咬傷事故も多いんです。一応解毒剤もあり、適切な治療を受ければ死亡することは少ないとされているんですが、命が助かってもその後遺症に悩まされることも多く、このあたりがハララカが恐れられている主な原因の一つと言えます。

そして、ゴールデンランスヘッドはそんなハララカよりも強力な毒を持っていると考えられていて、毒性はハララカと同じく出血毒ですが、ハララカよりも即効性は高いとされており、何もしなければその致死率は10%前後と考えられています。

ゴールデンランスヘッドが強力な毒を有するようになった原因は様々あるものの、哺乳類よりも捕食難度の高い空を飛ぶ鳥類を捕食対象としているため、逃げられることをできるだけ防ぎ、獲物にかみついた後素早く仕留められるよう、毒が強力になっていった可能性があります。とはいえ、その主な捕食対象が鳥類、トカゲなどの他の爬虫類、そして幼体は節足動物などであるため、これらにより有効的に作用するよう毒が進化していき、私たち哺乳類よりもこれらの動物たちにより有効的に作用することが分かってきているんです。

ただ、比較的有効的に作用するというだけで、哺乳類には効かないということではありませんので、一応念のため。

危うい幻の猛毒蛇ゴールデンランスヘッドの現状

先ほど、ゴールデンランスヘッドはかなり危険度の高い絶滅種ランクであることはお伝えさせていただいた通りなんですが、その要因として、これまでの人間による過剰搾取や過去に大規模なバナナ農園開拓のための島の焼き払いなどがあったんですね。そんなこともあり、ブラジル政府によるゴールデンランスヘッド保護政策から現在入島が厳しく制限されているわけなんですが、ゴールデンランスヘッドの生息数を危うくしているのは、このほかにも原因がありましてですね。

その一つに限定的なエリアで暮らす生息数の少ない固有種であるが故といいますか、このことが由来である危険もあるんです。それは近親交配。これは周知のとおり、種の存続に必要不可欠な健全遺伝に重篤な影響をもたらす可能性が高く、事実、性分化疾患の1つである症状が見受けられる個体もいる他、近親交配が原因とみられるオスの精子の突然変異、そしてメスの繁殖能力低下などが見受けられる個体が増加してきているんです。

加えて、本土の森林伐採などが原因で、餌となる鳥類の島に渡ってくる数が減ってきていることもゴールデンランスヘッドの現状を圧迫している要因と言えます。

先行きは現状あまり明るいものではないですが、何とか保護政策や遺伝異常の改善が進んでほしいものですよね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、スネークアイランドに生息する幻の猛毒蛇、ゴールデンランスヘッドに迫ってみました。幻という形容が本当に現実になってしまわないよう、何とか個体数を取り戻してほしいものですよね。そうならないよう、超微力で恐縮ながら、私もできることはしていかねば。と思う次第でございます。ではでは、今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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