動物雑学

【荘厳】息づく北の神々 カムイと呼ばれる動物たち

こんにちは。えたばりゅです。

今回はカムイと呼ばれて神格化されている動物たちをご紹介しようと思います。どんな動物たちが神々の化身として崇められているのか、ではでは今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

北の地に息づく神々 カムイと呼ばれる動物たち

カムイとは、神の性質を有する高位の霊的存在を表す言葉で、主にアイヌの方々の間で使用されてきました。私たちが一般的に使う神と同じく、単にカムイといっても、恩恵を与えてくれるカムイと災いをもたらすカムイ、両方が存在し、どちらの場合においても人知を超えた存在として定義されております。ちなみに恩恵をもたらすカムイをピリカムイ、災いをもたらすカムイをウェンカムイと呼び、どちらのカムイにおいてもアイヌの方々の間では畏怖されてきました。

そして、私たちがよく知っている神も、自然界には神々が宿るという教え、いわゆる神道は古来より語り継がれてきたものであり、カムイにおいても現存する動物たち、特に強大な力を持つ動物、どこか神秘的な装いを放つ動物たちはカムイとして神格化されております。

アイヌ民族の方々の間でも自然界で暮らす動物たちにはカムイたちが人間界で姿を見せるときの仮の姿を模していると考えられております。

では一体どのような動物たちがカムイたちの姿とされているのか、早速ご紹介していきましょう。

荘厳 カムイと呼ばれる動物たち1.エゾヒグマ

ではまず最初にヒグマのご紹介から参りましょう。このあたりは結構ご想像の通りではないでしょうか。本州にもツキノワグマが暮らしておりますが、ヒグマはツキノワグマよりも一回り大きく成長し、大きい個体になると体長約2.5m、体重約500kgにも及ぶことがあるんですね。日本に現存する動物では最大かつ最強の捕食性陸上動物といえ、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸にも広くその亜種が生息しており、日本に生息している種類はエゾヒグマと呼ばれており、アイヌの地では、エゾヒグマはキンカムイ(森の神)として崇められております。

荘厳 カムイと呼ばれる動物たち2.エゾオオカミ

エゾオオカミはかつて北海道に生息していたタイリクオオカミの亜種で、残念ながら現在では、人間との軋轢が原因となりニホンオオカミと同じく絶滅してしまっていると考えられております。

タイリクオオカミの亜種ではあるものの、ユーラシア大陸や北アメリカ大陸に生息するシベリアオオカミやアラスカオオカミなどと比較すると小柄で中型犬ほどの大きさだったことが分かっているんです。ニホンオオカミと同じくらいの大きさですが、若干エゾオオカミのほうが大型の傾向があったようですね。

現存する他の亜種のオオカミたちと同じく、狩りの技術に秀でていたとされており、アイヌの方々の間では、ホケロウカムイ(大きな口を持つ神)の他、オンルプシカムイ(狩りをする神)、ユクコイキカムイ(鹿を狩る神)、ウォセカムイ(吠える神)など様々な名前で呼ばれておりました。

荘厳 カムイと呼ばれる動物たち3.シマフクロウ

シマフクロウは日本では北海道の身に生息するフクロウの仲間で、翼を広げると約1.8mにも及び、世界でも最大のフクロウとして知られております。かつては北海道に幅広く生息していましたが、生息地の破壊や開発などで急速に数を減らしてしまい、現在では北海道東部が残されたシマフクロウの生息地となっており、現在は保護政策が施されております。

アイヌの方々の間では、コタン・コロ・カムイ(村を守る神)呼ばれてきました。シマフクロウの生態などから、普段はかなり冷静沈着で目をつぶっており、よほどの題字が起きない限り目を開くことはないとされております。

よくアニメや漫画などで、賢人や強者がいつも目をつぶっており、ここぞという時、目を見開くあのシチュエーションはひょっとするとシマフクロウに由来するのかなと僭越ながら思ってしまいました。

~シマフクロウについてはこちらの記事~

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荘厳 カムイと呼ばれる動物たち4.オオカミウオ

オオカミウオは東北からベーリング海にかけての冷たい海域に生息する魚類で、いかつい風貌に細長い体が特徴的なフォルムをしております。面立ちが威嚇をしているオオカミを彷彿させることがこの名前の由来で、英名でも「Wolf fish」と呼ばれております。

このような面立ち、そして口から見える鋭い歯などから猛々しい性格をイメージしてしまいますが、性格は比較的臆病且つ温厚な性格をしており、日本でも様々な水族館で飼育展示されておりますね。

そんなオオカミウオなのですが、アイヌの方々の間ではチップカムイ(魚の神)と呼ばれております。

荘厳 カムイと呼ばれる動物たち5.チョウザメ

チョウザメはユーラシア大陸からアメリカ大陸にかけて生息している古代魚でそのほとんどの種が現在絶滅危惧種に指定されており、中には残念ながら絶滅してしまった種もおります。「サメ」という名前が付き、サメと同じくはるか古代から地球上で生息しているものの、サメとは別種の種でございます。

その種によっては、7mを超えるほどの巨大な種もいて、こういったことからアイヌの方々の間では、「カムイチェプ」、「ビシュルカムイ」とも呼ばれておりますね。

荘厳 カムイと呼ばれる動物たち6.シャチ

最後にご紹介するのは、シャチ。言わずと知れた海の王者で、個体としての力ももちろんながら、知能も発達しており、力の他、知略を活かした狩りを展開し、世界中の海で生態系の頂点に君臨するまさに神と呼ぶにふさわしい存在と言えます。世界中の海に広く生息していますが、相対的に冷水域沿岸を好む傾向があり、日本でも各地でその姿が確認されておりますが、やはり北海道周辺での確認例が一番多いことが分かっておりますね。

アイヌの方々の間ではレプンカムイ(沖の神)と呼ばれているほか、アトゥイコロカムイ(海を支配する神)など、様々な名前で呼ばれております。

~シャチに関する詳しい記事はこちら~

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最後に

いかがだったでしょう。今回はカムイと呼ばれるアイヌの地に息づく動物たちをご紹介させていただきました。やはり強大な力を持つ、あるいはそれをイメージさせる動物たちが多かった印象ではないでしょうか。カムイは神の他、荒ぶる神という意味合いを持つこともあり、今回ご紹介した動物たちの生態やフォルムを考えるとそれもなんか納得してしまいますよね。ではでは、今回はこのあたりで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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