こんにちは。えたばりゅです。
今回はアフリカからインドを股に掛ける美麗なネコ科動物、カラカルをご紹介したいと思います。ライオンやヒョウ、チーターなど比べると認知度は低いかと思いますが、その華麗かつ美麗な容姿は本当に見るものを魅了します。そんなワイルドキャット界の貴婦人ともいうべき存在のカラカル。実は、ライオンやヒョウ、チーターなど、スター動物たちよりも、狩りの腕前が秀でているんですね。ではでは、そのあたりも含めてカラカルの魅力に迫っていきたいと思います。
超スタイルの持ち主カラカル、実はヒョウやライオンを凌ぐ狩りの名手だった!
カラカルは英名を「Caracal」、学名を「Caracal caracal」という食肉目ネコ科カラカル属に属するネコ科動物で、アフリカから中東、インドにかけて幅広く生息しており、体長は約60cm~1m弱ほどと、ネコ科動物では中型サイズの体格をしております。サーバルと同じく、アフリカに住むネコ科動物たちの中では比較的小柄な体格をしていますね。
カラカルといえばアフリカ大陸というイメージが強いですが、トルコやインドにも生息しているとは意外だったのではないでしょうか。ヒョウほどではないものの、カラカルもネコ科動物たちの中では生息域は広いと言えそうですね。生息域が広いことから、亜種レベルの分岐もあり、現在3~11亜種に分かれるという説がありますが、
- キタカラカル(Caracal caracal caracal):アフリカ大陸南部・東部
- ミナミカラカル(Caracal caracal nubicus):アフリカ大陸北部・東部
- アジアカラカル(Caracal caracal schmitzi):中東からインド
という3つの亜種に分かれるというのが現在のところ有力なようですね。
カラカルの一番の特徴、耳の先端の長い毛が実は名前の由来
ところで、このカラカル。標準和名から英名、学名までカラカルと、何と言いますか、カラカル尽くしな名前ですが、その由来は古いトルコ語のkarakulak(黒い耳を持つ者)が語源と考えられております。(黒い瞳という説もあり)その名のとおり、スタイル超絶バツグンの小顔から生える耳はピンと立ち先端に飾りのような黒い毛が生えているのが、カラカルの何と言ってもの特徴なんですね。
カラカルはネコ科動物の中でもトップクラスの狩りの成功率保持者
アフリカに住むネコ科動物の中では体も小さく、ライオンやヒョウなどと比べると、その体の構造もかなり華奢に出来ておりますが、その狩りの腕前はネコ科動物の中でもトップクラスに君臨し、実はライオンやヒョウよりも、カラカルの狩りの成功率は高いとされているんですね。
ちなみにアフリカの主なネコ科動物のおおよその狩りの成功率は・・・
- ライオン:約15~25%
- ヒ ョ ウ:約20~30%
- チーター:約50%
- サーバル:約50%
もちろん、標的にする獲物がそれぞれ違っており、ライオンやヒョウは比較的大型の草食動物を対象としているため、その成功率でそれぞれが持つ身体能力が決まるものではありません。カラカルに関しては、具体的な数値化はされておりませんが、サーバルと同等かそれ以上と考えられているんです。
・・・とはいっても例のごとく百聞はなんとやらだと思いますので、カラカルの非常に優れた狩りの能力をご覧いただけましたらと思います。
いかがでしょう。狩りの際は、獲物から全く目を離していないのがお判りいただけるのではないでしょうか。この凄まじいまでの一点集中力。素早い鳥をもその手中に収める狩りの腕前。カラカルの狩り能力が高いというのもうなずけますよね。そしてカラカルはこのように鳥類も狩りの対象としていることから、非常にジャンプ力にも優れており、時には3mもの高さにまでジャンプして、飛んでいる鳥も仕留めることがあるんです。
カラカルは自然下ではめったに出会えない幻の動物
カラカルは基本夜行性であり、上の動画のようにカラカルが人前で白昼堂々と狩をする姿は非常に珍しく、また警戒心も強いため、なかなか出会うことは出来ない幻の猫としても知られており、地元の方々でさえ、カラカルの鳴き声を聴けただけでもラッキーというようなそのような存在です。
そんなカラカル。日本でも個人宅で飼育することが可能ではありますが、特定動物ですので、飼育にはもちろん許可と檻が必要。申請に手間もかかり、マイクロチップの挿入も義務付けられており、それに加え、日々のエサ代に健康管理等。かかる費用は膨大となります。
まぁ、何よりもカラカルは大自然で自由に暮らしてこそ、その魅力が最大限に発揮される野生動物。いくら飼育可能であるとはいえ、当然ながら、日本の個人宅でカラカルを満足させられるような環境を常時整えるのは難しいといえそうですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はネコ科屈指の華麗なハンター、カラカルをご紹介させていただきました。ライオンやトラ、チーター、ジャガーやヒョウに比べるとその認知度は低いかと思いますが、彼らもサーバル同様非常に優れた魅力の持ち主であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ただ、カラカルも場所によってはかなり生息数が減ってきております。保護の必要性に向かって対策が施されれば、こんなにうれしいことはありませんよね。カラカルが将来アフリカや中東、インドの大地を華麗にジャンプする姿が普通に見られる時がくることを願いつつ、今回はこれで締めたいと思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。