こんにちは。えたばりゅです。
自然界にたくましく生きる野生動物たち。強い者、優美な者、様々ですが、その姿と生きざまは、もはやカリスマといっても過言ではありません。
このコーナーは、そんな自然界に生きる様々な魅力あふれる野生動物たちにスポットを当ててご紹介するコーナーです。こちらでご紹介する動物が好きなあなたに楽しんでいただき、またさらに、その動物に興味を深めるコンテンツになっていますので、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
では、さっそく今回の野生動物、中世の覇者の名を冠したナポレオンフィッシュをご紹介していきたいと思います。・・・なんでこの名前が不遇なの?って思われたのではないでしょうか。そのあたりも記事内でバッチリ解説させていただいておりますので、是非ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
ナポレオンフィッシュ 南の海に生きる威風に隠された超親しみ
ナポレオンフィッシュは英名を「Humphead wrasse」、学名を「Cheilinus undulatus」という、スズキ目ベラ科に属する魚類の一種で、夏場によく食卓に並ぶキュウセンの仲間になります。ベラ科の仲間では最大になる種で、オスの体長は2mを超えることもあり、まさに私たちがイメージする、ナポレオンの名前にふさわしい威風堂々とした姿をしております。
画像では緑がかった青色という感じですが、このほかにも褐色寄りの色をした個体も確認されております。このあたりはなんかさすがベラの仲間という感じがしますよね。
生息地は、インド洋、太平洋の熱帯海域にかけてに幅広く分布しており、日本では主に沖縄近海が生息地になっておりますが、近年の温暖化の影響で、稀に和歌山近海でも目撃されることがあります。食性は動物食でほかの小魚や貝などを頑丈なあごと歯を使って捕食しております。主に昼に行動する昼行性の種になり、夜は岩陰などで体を休ませております。このあたりは、多くの魚類と同じような特性と言えそうですね。
え・・・英名は「Napoleon Fish」じゃないの??
・・・それにしても、僭越ながら私はこのナポレオンフィッシュという、勇ましくカッコいい名前はてっきり英名から由来しているのだと思っていたのですが、ナポレオンフィッシュの英名は上記の通り、「Humphead wrasse」で、英名は、「Great White Shark(ホホジロザメ)」や「Golden Eagle(イヌワシ)」をはじめ、私たち日本人が耳にするとけっこうカッコいい名前がついているイメージがあるのですが、このナポレオンフィッシュに関しては、直訳すると
「コブ頭(Humphead)の波状雲(wrasse)」
になります。要するに「コブ頭で波状の雲のような模様を持った魚」という意味で、結構あっさり見た目そのままつけられてるんだなという印象でした。ならばこの命名案件に関してはナポレオンフィッシュに関しては日本名に軍配だな。
・・・と思いました?
ですよね。
しかしながら。です。
そこはやはり日本名。実はナポレオンフィッシュには隠された秘密があるのです。
やはり日本名 ナポレオンフィッシュの本名(標準和名)とは
Photo by (c)Tomo.Yun
http://www.yunphoto.net
その秘密はといいますとですね。このナポレオンフィッシュ。正式和名というものがございまして、まぁ・・・いわば本名ですね。その正式和名は「メガネモチノウオ」さんとおっしゃるのです。
・・・なんというか、やはり日本名ですよね。
私は関西在住ですので、メッチャ端正な顔立ちの西洋人の方が実はバリバリに関西弁を操る方だったという感じがして、一気に親近感が増した次第でございますw
いわば、ナポレオンフィッシュは芸能人の方々がお使いになられている、芸名といったところでしょうか。この正式和名は、成魚が老齢期に差し掛かると、目の周りに黒いラインが現れてくることから、その黒いラインが眼鏡をかけているように見えることから、メガネモチノウオと呼ばれるようになったと考えられております。
では、ナポレオンフィッシュという別名が付いたのか。それは、同じく老齢期と共にナポレオンフィッシュの特徴である、頭のコブがかなり前方にせり出してきます。そのコブのせり出してくる姿が、ナポレオンが軍帽をかぶっている姿に重ねられたことから、そう呼ばれるようになったと考えられております。
せっかくの機会なので、ナポレオンのあの軍馬にまたがった颯爽たる姿も一緒にご紹介しておきましょう。
あ、帽子かぶってなかったw
いかがでしょう。
・・・
・・・ ・・・
う~ん・・・まぁ・・・そう見えなくもないような・・・。
という感じがしないでもないですが、その受ける印象は人それぞれかと思いますので。
まぁ、どんな名前にしろ、ナポレオンフィッシュの威風堂々とした姿は、本当に魅了されるというところであります。
減り行くナポレオンフィッシュの姿
そんな、威風堂々さと親しみやすさが同居するナポレオンフィッシュですが、熱帯地域が主な生息海域ということは先ほどお伝えさせていただきましたが、それはその生息地がサンゴ礁がある場所を主に生息地としていることが理由としてあります。
現在、開発などの海洋環境破壊などによりサンゴ礁が群生する海域は世界規模で見ても著しく減少傾向にあり、その影響でその場所を生息地としているナポレオンフィッシュの個体数もかなり減少しております。
現在ナポレオンフィッシュはIUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストでは、EN ランクに指定されております。
個体数の回復はもちろん、生息地の確保もナポレオンフィッシュの個体数を回復させる対策としては必須事項といえます。これ以上、生息地を減少させないため、またナポレオンフィッシュの生息数が回復するためにも、僭越ながらこういった発信はどんどん行っていかなければと思う次第です。
最後に
いかがだったでしょう。今回は日本名にしては、素晴らしく勇ましく、カッコいい名前(芸名)がついたナポレオンフィッシュをご紹介させていただきました。この威風堂々とした姿はダイバーの方々の中でもやはり人気があるようで、このナポレオンフィッシュ目当てでダイビングをされる方もいらっしゃるようです。
そんな美しくも雄々しい姿をこれから先も是非見ていきたいものですよね。では、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。