こんにちは。えたばりゅです。
今回は水田の捕食者、ミズカマキリの意外な事実をご紹介したいと思います。実はミズカマキリ、カマキリという名を冠し、その見た目もカマキリの水中モードという感じで、いかにもカマキリの仲間っぽいですが、分類系統上はカマキリではないんですね。
では、一体ミズカマキリは何の昆虫の仲間なのか、その違いが分かるミズカマキリの超意外な属性と、カマキリと同じようなフォルムになった経緯などをご紹介しようと思いますので、是非ぜひ今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
ミズカマキリ 実はカマキリにあらず。その意外な仲間とは??
ミズカマキリは田んぼや水路、小川などに生息する水棲昆虫の仲間で、今では生息地の破壊などが要因となり、ほとんどその姿を見ることができなくなってしまい、国内はマジレベルでの幻の昆虫となりつつあるタガメと違い、少し郊外の田んぼなどでは、まだ比較的目にすることができますね。小さい頃、夏休みなどに祖父母宅に帰省した際、ゲンゴロウやミズカマキリなど、水棲昆虫を探して走り回った思い出もあるのではないでしょうか。
個人的なお話で誠に恐縮ながら私も、幼少のころ夏休みに父方の実家に遊びに行った際従兄と近くの小川にカエルを取りに出かけ、ミズカマキリを発見したときは、従兄共々興奮した思い出があります。
その名前の通り、カマキリを細くしたような容姿をしており、陸上のカマキリと同じく、その鎌のような前脚を武器に使い、その前足でカエルやオタマジャクシ、メダカなどの小魚をとらえて捕食します。
でも、実は
ミズカマキリはカマキリじゃないんです。
実はカマキリとは程遠い、あの昆虫の仲間
上の画像じゃ、ちょっと見にくいと思うんで、分かりやすくした画像をお見せすると
こちら。
で、こっちが陸上のカマキリ
やっぱ、カマキリにそっくり。いや、むしろ水中モードカマキリですよね。
でも、分類上はミズカマキリはカマキリとは全く別の系統の昆虫になるんです。
では、このミズカマキリ、どういった昆虫の仲間なんだと思います??
せっかくなのでシンキングタイムにしましょうか。
では、
シンキングタ~イム!!
・・・
・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
はい!
いかがでしょう。わかりました??
じつはですね
カメムシの仲間なんです。
そう。最近では大発生して話題沸騰だったあのカメムシ。
結構意外でしょ。
陸上のカマキリの分類は
昆虫網カマキリ目
対して、ミズカマキリの分類は
昆虫網カメムシ目
に属する昆虫なんです。
鎌まで持ってて、姿かたちはカマキリそのものといっても過言ではない、ミズカマキリですが分類上はカメムシの仲間なんですね。
ちなみに言えば、鎌を持ち、ミズカマキリと同じようなフォルムをしているタイコウチ。
そして、今ではかなり希少昆虫になってしまったタガメ。
こちらも、同じくカメムシ目に属する昆虫になります。
でも、なんでカメムシの仲間がカマキリのような姿かたちになっていったのでしょうか。これには、狩りの際のスタイルに関係があると考えられています。
ミズカマキリがカマキリと同じような形になった理由
実はこれは※収斂進化(しゅうれんしんか)という奇跡の進化形態の一つといえますが、カマキリもミズカマキリも狩りのスタイルがほぼおんなじなんですね。
※収斂進化とは全く別の系統で生息環境も違う生物が、同程度の生態系の位置に収まった時、姿かたちが似通った姿に進化を遂げることをいいます。収斂進化についての詳しい記事はこちら
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そのスタイルとはいわゆる待ち伏せスタイル。
周りの環境に合わせて、擬態をしてじっと獲物を待ち・・・
獲物が射程距離に入った段階で、目にもとまらぬ速さで鎌状の前足を繰り出し仕留める。
というスタイルを取り入れております。
ですので、獲物が射程距離に入った段階で、しっかりと逃さないように、前脚が鎌状に進化したのだと考えられております。
また、カマキリにせよ、ミズカマキリにせよ、生息する環境下では生態系の上位に君臨する昆虫。
同じような狩りの手法を繰り返すうちに、両者共々似たような形状に進化したのでしょう。
進化っていうのは、本当にすごいものですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は、ミズカマキリの意外な事実についてご紹介させていただきました。形状が同じだからって同じ分類とは限らないところが、自然界の面白いところですよね。
トリビア的要素ですが、ちょっと興味深いお話ではないでしょうか。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。