こんにちは。えたばりゅです。
突然かつ、ぶしつけな質問で誠に恐縮なんですが、
- ブルータス
- ロロン
- ギュスターヴ
- ドミネーター
これ、なんだと思います?
実は、これ、全てワニにつけられた名前なんです。そう聞くと、なんかどれも限りなく強そうで勇猛な感じがしますよね。
もちろん、動物園などにいる動物たちには名前が付いていることが多くありますが、通常、ワニ・・・といいますかご存じの通り、ワニに限らず野生動物においては、人間のように個々に名前が決まっているわけではありません。
そんな野生動物に個体名がつくということは、よほどその個体は印象深い個体ということになります。
例えば、通常に比べてとんでもなく大きいとか。立派過ぎる角が生えてるとか。ワニでいえば、その印象のさらに上を行く凶暴さを備えているとか。
今回はそんな個体名がつくほどに有名になった、野生のワニたちを厳選して6頭と、幻の巨大ワニを1体ご紹介していきたいと思います。ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
巨大!デカすぎて名前までついたワニ6選プラスアルファ
ワニと一口に言ってもその種類は様々で、大まかに分けると、
- クロコダイル
- アリゲーター
- ガビアル
といった仲間に分けることができます。ワニといえば、やはり巨大という印象の他に、狂暴、強い。といった感じの印象があるかと思いますが、その印象を振り切るような突出したイメージを作り出すのは、この中でもクロコダイルと呼ばれるワニの仲間たち。
これらの違いについてはこちらの記事で詳しくご紹介しておりますので、良ければこちらの記事も併せてお読みいただければ幸いです。
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そして今回ご紹介する名前が付いているワニたち、やはりいずれもクロコダイル科に属するワニたちでございます。では、さっそくご紹介していきましょう。
オーストラリアの巨大ワニ ブルータス
ブルータスはオーストラリアに生息する、イリエワニという種類。
イリエワニを軽く説明すると、オーストラリアからインド南東部にまで生息する、クロコダイル属に属するワニの一種で、ワニの仲間の中でもナイルワニと双璧をなす巨大さを誇っております。
イリエワニの一番の特徴としては、その名前の通り、主に汽水域で生息していることもあり、かなり海水に耐性が強く、潮に乗ってかなりの距離を移動することもあります。
実はイリエワニ。
何と日本の八丈島や西表島で目撃されることがあるんです。
ただ、生息しているわけではなく、こういった長距離の移動の中で海流に乗って一時的にたどり着いた。といった方が正しいといえますね。
そんなイリエワニであるブルータス。オーストラリアのアデレード川でよく見かけられており、現地では大きな肉の塊を船の上からぶら下げ、ブルータスのようなイリエワニたちが水中から飛び上がりダイビングキャッチする様子を観光客に見せるのが人気になっているようです。
では、そんなブルータスを紹介した動画がありますので、そちらの方もあわせてご紹介したいと思います。
オーストラリアの巨大ワニ ドミネーター
ドミネーターもかなり巨大なイリエワニで、ブルータスと同じくオーストラリアに生息しております。その巨体はブルータスを凌ぐとされており、その体長は正式な計測でないものの、6mを超えるといわれております。
「Dominator(支配者)」という、シブすぎる名に恥じない、大きさ貫禄でブルータスと共にオーストラリアのアデレード川でその支配を2分している巨大ワニなんですね。
いかがでしょう。ブルータス、そしてドミネーターの巨大ぶり、そして勇猛ぶりがお分かりいただけたのではないでしょうか。
そして、動画でも説明があったと思いますが、ブルータス。前脚が一本ないんですね。
こちらについては諸説ありますが、動画の説明の通り、オオメジロザメとの激闘の末食いちぎられたという説が有力とされております。このオオメジロザメ、普段は他のサメたちと同じく、海生なのですが、イリエワニとは逆に淡水での耐性が強く、かなり河川の上流でも生息が確認されており、性格も荒いことで知られております。人への危険度でいいますと、淡水でも生息が可能なことから、ホホジロザメを凌駕するといわれるほどのサメとも言われているんですよ。
そういったことを考えると、やはり食う、食われるといった関係が自然界では単純なものではないということが本当によくわかりますよね。
オーストラリアの船舶を震え上がらせた スウィートハート
スウィートハートは1970年代にオーストラリアのノーザンテリトリーに流れるフィニス川に生息していたイリエワニで、先にご紹介したブルータスやドミネーターよりは少し小柄なものの、その全長は5.1mにも及んだことが分かっております。
かなり大型であるものの、5mなると他個体もいる可能性が多く、その大きさ面で名前が付くには少しだけ疑問符が付く感じではないでしょうか。ではなんでこのイリエワニに名前が付いたかというと、当時船舶がしばしばワニに襲われる事案が発生していて、その襲っていた個体がこのスウィートハートとされているんです。
ただ、スウィートハートが人間を襲ったという事例は報告されていなかったんですよね。しかしながら、船舶を襲うということから人間への安全性が考慮され、生け捕りにされたんですが、残念ながら他場所への移動中の事故と考えられることが原因でこのスウィートハートは命を落としてしまったんです。
襲っていたのが、ボートや漁船などの小型漁船ではあるものの、5mを超える巨大なワニが自身が乗る船を襲ってくるってのは乗組員などにとっては相当恐ろしかったことが想像に難くなく、こういった経緯が原案となり、スウィートハートをモデルにしたモンスターパニック映画が2007年にオーストラリアでリリースされております。
では、次のワニは、その大きさももちろんながら、人々を恐怖のどん底に陥れた事で有名になったワニのご紹介です。
アフリカのマンイーターナイルワニ ギュスターヴ
ギュスターヴはアフリカのブルンジ共和国の湖や、それにつながる河川に生息するとあるナイルワニにつけられた呼称で、別名グスタブ、ギュスターブ、グスタヴなどと呼ばれております。
現地では殺人ワニとして恐れられており、その体長は正確な測定ではないものの、6mを超えるとされております。
ナイルワニは前述のブルータスやドミネーターのようなイリエワニと同じく、クロコダイル属に属するワニで、アフリカに生息しており、イリエワニと同じく、ワニの仲間では世界最大クラスの大きさを誇っております。
ギュスターヴによる犠牲者は300人を超えるとされておりますが、これは他のワニの犠牲者も数に入っている可能性が高いですね。ただ、300人は多いにしても、煙のないところにはなんとやらでございます。なぜギュズターヴはこのような多大な犠牲者を生み出すようなマンイーターと化してしまったのでしょうか。
ギュスターヴがマンイーターと化した理由
これにはもちろん確証ではないのですが、アフリカの治安情勢が大きく関係されるといわれていてですね。ギュスターヴが生息するブルンジ共和国では、当時政治的な理由から内戦が勃発しており、甚大な数の戦死者が出てしまいました。
もちろんそれらの戦死者達は弔なわれることなく、多くの方が犠牲となった場所に野ざらしになってしまいます。そしてこのギュスターヴが生息する、タンガニーカ湖やルジジ川で命を落とした方も多くおられ、そういった犠牲者をギュスターヴが食べることにより、マンイーター化したといわれております。
その事の真実は定かではありませんし、果たして戦死者を食べたからと言って、生きている人間にも目をつけ、好んで人間を襲うようになるのか、このあたりは少し疑問な気もしないでもありませんが、もしこの仮説が真実だとすると、死が死を呼ぶ典型的な例であり、戦争のおろかさを如実に表す事例といわざるを得ません。
そして、犠牲者があまりに多くいることが噂されることから、このギュスターヴを題材にし、実話を基に作られた映画「カニングキラー 殺戮の沼」という映画も、リリースされております。この下にリンクを張っておきますので、ご興味あればご覧になってみてくださいね。
いかがでしょう。同じワニで、獰猛さ、大きさは伯仲しているものがありながら、一方では人気者扱いになり、一方ではマンイーターとして恐れられる。こういった個体名にも複雑なものを感じずにはいられません。
世界大戦時の日本兵撤退に追い打ちをかけた!? 現代にも生息するミャンマーの巨大ワニ ホワイトノーズ
こちらはスイートハートと同じく、全長は推定で約5m前後と今回ご紹介した6mクラスの巨大ワニたちと比較すると、大きさに関しては一歩譲るところもあるんですが、最近でも人との接触事故が起きているとされているミャンマーのラムリー島に生息するイリエワニで、その年齢は100歳を超えるとも言われているんですね。
100歳越えともあれば、第二次世界大戦時は約20歳前後と推定され、当時の全長はもちろん5mクラスとは考えにくいものの、3mは越えていた可能性もあり、その体力も有り余っている時期。
そしてラムリー島といえば、第二次世界大戦末期、日本兵がラムリー島の戦いにおいて、イギリス軍からの撤退時に川を渡る際おびただしい数のイリエワニに襲われ、1000人を超える方々が命を落とした事故が発生したとされており、この事故はギネスブックにも記述があるんです。
そして、ホワイトノーズはこの一連の事故にも関与しているという説もあるんです。
ただ、現状襲われてしまった方はおられるものの、ホワイトノーズの年齢に関しては推定の域を脱しておらず、この事故に関与したかどうかは、わかっておりません。加えてギネスブックの記述とは裏腹に日本が公式に発行している史書にはそういった記述がなく、現地にお住いの方々の助力があり、この後多数の将兵の方が日本へ帰還されていることなどから、イリエワニの性格を加味すると、もちろん襲われてしまった方もおられた可能性は高いものの、渡河中の戦いによって犠牲になってしまった方のご遺体に多くのイリエワニが集まってきた可能性もあり、1000人という犠牲者数に関してはギネスブックにも新たに訂正追記がなされており、現在では疑問視されております。
このあたりは、先ほどご紹介したギュスターヴに通づるところがある可能性がありますよね。
ギネスに記録が残るフィリピンの巨大ワニ ロロン
今回は名前が付いた「野生」のワニたちにスポットを当てましたが、これまでに正式に大きさが記録されている中で、最大のワニの名前はイリエワニのロロン。
残念ながら、2013年にこの世をあとにしてしまいましたが、その大きさは
- 体長:6.17m
- 体重:1.07t
となっており、現在までに捕獲されたワニとしては最大として、ギネス認定されております。2011年にフィリピンで捕獲されるまでは、野生のワニとして生息しておりましたが、捕獲され、2013年に死亡するまでは専用の自然公園で飼育されておりました。
ちなみに、ロロンも捕獲される前は、人を捕食したワニと考えられていますが、その証拠は見つからなかったため、真相はロロンと共に昇華されたということになりますね。
また、この襲撃事件はロロンよりもさらに大型のワニ、全長7m、一説によると8m以上とも言われるポトルという超巨大ワニが関与しているという説もあったりします。
名前無き巨大ワニ オリノコワニ
今回は、巨大すぎて名前が付いたというワニにフォーカスしてご紹介しましたが、一応記録に残る世界最大のワニは南米オリノコ川に生息するオリノコワニというワニで、その体長はなんと7mにも迫る、6.78mという記録が残っているんですね。ただ、この超巨大ワニが生息したのは1800年代ということで、先ほどご紹介したマハンバとは違い記録データは信頼できる出どころであるものの、現在ではその証拠となる骨格などは消失してしまっているようなんです。
オリノコワニ自体は現在も生息してはいるんですが、その生息状況はかなり厳しく、IUCN(国際自然保護連合)では、CR(絶滅危惧 ⅠA類)にランクされていることもあり、個体数が非常に少なく、現在では5mクラスがオリノコワニの最大とされているんです。
ただ、ギネス認定されている、言い換えると記録が残っているので実質的に世界一の巨大ワニであるロロンを凌駕する巨大なワニが過去にオリノコワニという種の中にいたことはわかっているので、今後の保護政策次第では、巨大で名前の付くオリノコワニが筆頭として名を連ねる可能性も無きにしも非ず。
何とか、保護政策が実ってほしいものですよね。
他にもいる 記録に残る名前無き巨大ワニたち
もう少しで7mという驚異の全長を誇ったオリノコワニですが、このワニの他にも名前はついていないものの、超ド級ワニたちが記録に残されているんですね。ザックリとですが、ご紹介すると
- 1962年の記録 オーストラリアのアデレード川に生息していたイリエワニ:全長6.1m
- 1979年の記録 パプアニューギニアに生息していたイリエワニ:全長6.2m
- 2007年の記録 タンザニアのカタビ国立公園に生息しているナイルワニ:全長5.36m
- 記録年代不明 タンザニアのムワンザに生息していたナイルワニ:全長6.45m
- 記録年代不明 タンザニアのムワンザに生息していたナイルワニ:全長5.8m
- 記録年代不明 スリランカに生息していたヌマワニ:全長5.63m
など。現在でもひっそりとこれらを凌駕する巨大ワニが生息しているかもしれませんね。
12m級の巨大ワニ!? マハンバ
今回ご紹介したワニたちも巨大ですが、なんとこれらのワニの軽く2倍をいく、超巨大ワニがアフリカに生息しているといわれているんですね。そのワニの名前はマハンバ。1800年代に最初に目撃されて以降、その後度々目撃された巨大ワニで、その大きさはなんと、12mから15mにも及ぶといわれているんですね。
この巨大さは古代の巨大ワニ、サルコスクスやディノスクスなど、恐竜さえ捕食したという戦慄のワニたちに並ぶデカさ。
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コンゴ共和国の河川に生息しているとのことなんですが、ただ、このマハンバに関しては、これまでご紹介したドミネーターやブルータス、スウィートハート、ギュスターヴ、そしてロロンのように、実在が立証されているわけではなくて、あくまで目撃情報のみなんですね。
目撃地がアフリカのコンゴ、そして現生のワニということであれば、ギュスターヴと同じく、ナイルワニの可能性が高いものの、ナイルワニの大きさは最大でも、やはりギュスターヴと同じく、6mが限界という説も多く、こちらの方は残念ながら未確認生物の域を今のところでないというところですね。
それに、1800年代ということであれば、200歳を優に超えている計算。いかにワニの仲間が寿命が長いといえど、現実的に考えても、この世を去っている可能性も高いといえますし、私も現実にいてほしいなと思ったりはしますが、ちょっとその実在の立証は難しいかもしれませんね。
最後に
いかがだったでしょう。今回は名前の付けられた巨大ワニたちをご紹介させていただきました。こういった5mクラス、6mクラスの大きなワニたちはその話題性がいい方向にしろ、悪い方向にしろ、やはり世間の目を集めやすいものだといえます。
そして、もしアフリカのブルンジで内戦が起こらなければ、ギュスターヴもまた違った扱いをされていたのかとふと考えてしまいますよね。
ちなみにこのギュスターヴ。2008年に目撃されたのを最後に姿を消してしまったとの事。今ではその生死は不明だといわれております。
では、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
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