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実は超進化の賜物!?ナマケモノの動きが超遅い驚愕の理由とは!?

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、スローライフの代表的存在であるナマケモノにスポットを当てて、その魅力に触れつつ、なんであんなに動きが遅いのに捕食されつくされず、種として生存し続けられているのか。そもそもなんであんなに遅いのか。その理由にも迫っていきたいと思います。動きが遅い理由には超意外な事実が・・・ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

ナマケモノってなんであんなに動作が遅いのか?実は羨ましすぎる超進化の過程!?

ではまずナマケモノのご紹介を軽くさせていただくと、英名を「Sloth」という、有毛目ナマケモノ亜目に属する哺乳類の仲間で、現在はミツユビナマケモノ科3種とフタユビナマケモノ科に属する2種が暮らしており、体長は50cmほど、中央アメリカから南アメリカ西部にまでにかけてが分布域になっています。

昔は地上性のナマケモノもいたものの、現在はそのイメージ通り、樹上性で生活のほとんどが木の上となっていて、いずれも木の葉や木の枝を食べて生活しています。

そして、ナマケモノといえば、何と言ってもその超スローな動作。木の上はもちろん、たまに地上に降りてきてもそのスローさはもちろん健在。

それにしても。ですよね。

そもそもナマケモノはなんでこんなに遅いんでしょうか。実はこれ、ナマケモノが敢えてそういう進化を選択した可能性があるんですね。

ナマケモノの動作が超遅い理由 機敏に動くとマジで危険だから

え・・・進化して遅くなるなんてことがあるの??って思ってしまいますよね。

ナマケモノの特徴を挙げてみて下さいといわれると、おそらくほとんどの人がその遅い動作を挙げると思うんですが、実はナマケモノには他の哺乳類にはあまりない特徴が結構あって、例えば、首の可動範囲がかなり広い、気温に合わせて体温を変化させるといったナマケモノ特有ともいえる特徴があるんですね。

これが、なんでかというと、エネルギー消費を少しでも低く抑えるため。実はナマケモノは動作だけでなく、体のシステムも非常に緩慢で、新陳代謝がかなり遅くて、一回の食事量がたったの10gほど、しかもそれを消化するのに10日以上もかかるので、機敏に動き回ったらすぐにエネルギーが尽きてしまうんです。首の可動範囲が極端に広いのも、体を動かずに、出来るだけ広い範囲の植物を摂取するようにするためなんですね。

逆を言うと、動きすぎると臓器などの生命維持に重要な器官を稼働させるエネルギーが尽きてしまうので、活発に動きすぎると命の危険があるということになります。

遠い親戚である、アリクイの動作がそんなに遅くない事から、敢えてナマケモノは長い年月をかけて、動作を遅くするという進化を選んだと考えられますが、実はナマケモノについてはその名前こそは超メジャーですが、化石などはそんなに出土していなくて、遅く進化した理由については、エネルギー消費を極限にまで抑えるためなのか、別の理由があるのか、そのあたりはまだはっきりしたことが分かっていないんです。

この仮説についてもニワトリが先か、タマゴが先か的なところもありますしね。

ただ、事実。ナマケモノは現代でも立派に生き抜いているんです。

・・・そうなんです。生き抜いているんですよね。いや~・・・、考えてみると不思議じゃないですか。だって動作が遅い・・・というか、動きたくても動けないってのは、弱肉強食の自然界では致命的なことですよね。

また、現代では車という驚異もあって、ナマケモノのスローな動きはかわいいですが、時には見てる方がヒヤヒヤしますよね。現地でもこんな感じに助けられることはよくあるみたいです。

捕食者溢れる南米でもナマケモノが生き残れる理由

このように遅い動作では、簡単に捕食動物に狙われて、格好の餌食になってしまいますよね。事実ナマケモノが暮らすエリアにはジャガーピューマ、オセロット、アナコンダオウギワシなどの超強力な捕食動物たちが軒を連ねており、彼らの獲物のラインナップにはナマケモノも入っています。

これだけの名だたる捕食者が溢れかえるキケンな世界で、なぜナマケモノが食べつくされず、生き残ることができているかというと、実はナマケモノは擬態の名手なんです。ナマケモノがほとんど動かないのは先ほどからお伝えさせていただいている通りなんですが、実はコレが捕食者の目をかいくぐる大きな利点となっていて、ナマケモノの体毛は薄いグレーや薄い茶色なので、動かずにいると周りの木々に見事に溶け込んでしまうんです。

また、超スローなその動きから、年齢を重ねたナマケモノには体にコケが生えることもあって、そんなコケもナマケモノの見事な擬態を支える相乗効果となっているんです。

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なので、ナマケモノがメインとしている樹上にいれば、捕食者に見つかる可能性はかなり軽減されるんです。事実、ナマケモノがオウギワシなどの大型猛禽類以外の捕食動物に捕食されてしまう時は、ナマケモノが地上に降りて移動している時や水中を泳いでいる時がその多くを占めているんです。

また、ジャガーやアナコンダといった肉食動物たちも獲物がナマケモノだけということはなく、熱帯雨林にはこれらの獲物となる様々な動物たちがいるので、ナマケモノだけが集中的に狙われるということはないんですね。

例外といえるのはオウギワシで、オウギワシの獲物比はナマケモノが多くを占めています。ただ、食物連鎖のピラミッドの法則から絶対数が少ないってのも、もちろんあるのですが、オウギワシ自体が開発などの影響でかなり数が激減してしまっているので、ナマケモノを狩りつくしてしまう程のオウギワシがいないというのも、その理由の1つと考えることができます。

このように一見とても不利に見える超スローな動きですが、対策さえバッチリできていれば、強力な捕食者溢れる厳しい自然界でもしっかり生き抜いていくことができる。ってことをナマケモノが教えてくれている感じですね。

最後に

いかがだったでしょう。今回は、南米が誇る超スローライフアニマル、ナマケモノの魅力に触れつつ、なんでそもそもあんなに動作が遅いのか。危険な自然界であの動作で生き残ることができたのか。そのあたりの理由について迫ってみました。

一見無防備に見えるナマケモノも結構しっかりと対策をしているっていうのは、驚きでしたよね。いや~・・・恥ずかしながら、私が同じように強力な捕食動物溢れる熱帯雨林でナマケモノのようにスローな動きしかできない状態で放り出されたら、モノの数分で餌食となってしまうと思うので、そう考えるとナマケモノって凄いですよね。

もしかしたらこのままナマケモノはエネルギーの消費を極限にまで抑えることを突き詰めていって、将来葉っぱすら摂取しなくても生きていける、ある意味霞を食べる仙人のような、超進化を遂げた「完全体オブナマケモノ」が誕生するかも・・・と考えると、ちょっとロマンを感じてしまいます。

ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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