魅惑の野生動物たち

【巨大ウバザメ】圧巻の巨体とそのイメージが覆る意外な習性4選!

こんにちは。えたばりゅです。

今回は、魚類の中ではジンベエザメに次ぐ巨大さを誇るウバザメの生態に迫っていきたいと思います。見た目的には少し地味ながらも、超魅力的かつその外見からはかけ離れた習性を持つサメなんですね。こちらの記事を読み終える頃にはウバザメへのイメージがガラッと変わってしまうかも・・・ではでは、今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。

驚愕のデカさ!ウバザメが持つ超意外な習性とは!?

・・・デカいw

迫力満点ですよね。

ウバザメは英名を「Basking shark」、学名を「Cetorhinus maximus」というネズミザメ目ウバザメ科ウバザメ属に属するサメの仲間で、ノルウェーやカナダ、アラスカ、オーストラリア南部地域などの沿岸海域に生息しており、比較的冷たい水温を好む習性があります。

ネズミザメ目ということで、あのホホジロザメとは親戚関係にあたるサメなんですね。姿もホホジロザメと少し似ていて、近くまで接近すると、さすがにその違いは一目でわかるものの、遠くから見るとその姿は結構似ていて、間違われることもあるんです。

とはいえ、その食性はジンベエザメと同じく、プランクトン。大人の男性も人の身にできそうなほどの巨大な口を開けて海面付近を泳ぎ、海水ごとプランクトンを飲み込んで、エラでプランクトンのみをろ過して摂取しているんです。上の画像はそのプランクトンを摂取している様子ですね。このようにプランクトンが漂う海面付近で多くみられることもあり、英名の「Basking(日光浴する)」の由来となっております。泳ぐスピードも普段は3km/hほどですので、かなり穏やかなイメージがあるサメなんです。和名の別名ではバカザメなんて、ウバザメには少し申し訳ない別名もついてしまったりしています。

ウバザメの特徴 ジンベエザメに次ぐ巨大な体

ウバザメの特徴としてまず第一に上がるのがその巨大な体。体長は約3~6m、時には9mを超えるにまで成長し、最大の個体では、全長にしてなんと12mというウバザメが記録に残っているんです。これだけ巨大な体ですので、ウバザメが分類されているネズミザメ目の中ではホホジロザメをしのぎ、ナンバーワンを誇る巨大さ。現生魚類の中でも、ジンベエザメに次ぐ大きな魚類として知られております。

これだけデカいサメが大口を開けて、海を泳いでいる姿は超迫力ですよね。目はつぶらでちょっと可愛らしかったりしますがw

ウバザメのデカさをこれでもかっていうほど、手軽に実感できる場所

とはいえ、一口に12mといっても、ちょっと巨大すぎてあまり実感がわかないですよね。ただ、実感するためにウバザメを海に探しに行くのもかなり運要素が絡みますし、こちらも難しい。もし、ウバザメが成長するとどれくらいの大きさになるのか、肌で感じたいというのであれば、沖縄美ら海水族館、そして、同じ海洋博公園内にある、海洋文化会館が個人的にはおススメです。

こちらの画像は海洋文化会館に展示されているウバザメの全身実寸大レプリカ。

・・・実際に見ると、デカいです。マジで。

美ら海水族館では、少し前に山口県海域にいたウバザメの頭部の標本が展示されており、その近隣(ほぼ隣接)の海洋文化会館ではそのウバザメの実寸大のレプリカが展示されております。そのウバザメは確かオスで体長8mほどでしたが、それでもその巨大さにただただ圧倒されるという感じですね。

ウバザメのド迫力を間近で実感できるのでよければ是非ぜひ。

沖縄美ら海水族館公式サイトページ

海洋博公演 海洋文化会館公式サイトページ

このようにウバザメはその巨体とゆったりと泳ぐその様からまるで大きな遊覧船を彷彿とさせますが、そんなイメージがガツンと覆る超アクティブな習性を持っているんです。

ウバザメの意外な習性1.実は群れを作る

巨大な体をしているので、あまり群れるというイメージが浮かばないウバザメですが、実は群れも作る習性がある社会性動物ということが分かっており、普段は単独、もしくは5頭程度の群れを作って生活しております。ただ、時にはその体と同じく、その群れ自体も100頭を超え、巨大になることがあり、最大では1300頭を超える群れに膨れ上がることもあるんです。

とはいえ、これだけの巨大な群れに膨れ上がるのは、やはり一時的なもので、たまたまその海域にプランクトンが豊富に発生していて、多くのウバザメが集まったと考えられているんですが、これだけの巨体が1300頭にも及ぶ群れを作って泳いでいる。そんな光景を想像するだけでもド迫力といったところでしょうか。

参考、出典:NATIONALGEOGRAPHIC日本版 謎多き巨大ザメの超大群が見つかる、理由は不明 滅多に姿を見せないウバザメが約1400匹も、米北東海岸沖

ウバザメの意外な習性2.実は深海性

英名でもサメ日光浴中。的な感じで、水面付近で常に生活しているイメージがあるウバザメですが、実は普段水深200m以上の深海で生活していて、時には1000mを超える水深にまで潜ることがあって、海面に浮上するのはプランクトンを摂取している時などに限られているんです。

その比率は海面域1:深海域9

といったところ。

多分巨大なサメが超デカい口を開けて海面を泳いでる姿がかなりインパクトがあったんで、こういった名前が付いたんでしょうね。

ちなみに標準和名のウバザメ(姥鮫)はウバザメの巨大な体に次ぐ特徴ともいえる長いエラとその周りにあるヒダがしわに見えることがこの和名の由来になったと考えられています。

ウバザメの意外な習性3.冬場になると姿を消す

ウバザメは普段比較的冷たい水温の海域で生活しているのは冒頭でもお伝えした通りなんですが、プランクトンが少なくなる冬季には忽然と姿が見えなくなってしまうんですね。いくら深海性であまり海面に姿を見せないといっても、時には10mを凌駕するような巨体の持ち主なんで、全く姿が見えなくなるなんてことはないと思うんですが、事実、ウバザメは冬季になると忽然とその姿を消してしまうんです。

この生態については、最近その理由がわかりつつあり、冬季になるとウバザメは、熱帯地方の海域にまでその足を延ばしていることがその研究で明らかになりつつあるんです。ただ、普段の生息域からかなり距離が離れた海域。時には数千キロにも及ぶこの距離。ホホジロザメもそうですが、ウバザメもかなり広い範囲の海域をその生息範囲としているのが最近解明されつつあるんですね。

ただ、このようにそのほとんどを深海域で生活しているサメなので、そのデータはまだまだ十分ではなく、分かっていないことの方が多いんです。

この他にも、プランクトンが居なくなる時期には深海域で冬眠しているという説もあります。

ウバザメの意外な習性4.実はアクティブ

海面付近を泳ぎ、巨大な口を開けながら、海水ごとプランクトンを摂取。泳ぐスピードも普段は3km/hほど。ということで、その普段の動きもかなりゆったりしたイメージがありますが、以前ご紹介したマンボウと同じく、けっこうアクティブで時には海面を飛び出してブリーチングするダイナミックな習性も兼ね備えているんです。

こちらはそのウバザメが海面を飛び出し、大ジャンプを見せる様子。

いかがでしょう。少し遠目ではあるものの、巨大な体が宙に舞う姿は迫力満点だったのではないでしょうか。この辺りはさすがエアジョーズと評されることもあるホホジロザメの近縁といったところ。

ブリーチングする理由としては、他の海洋生物と同じく、体についた寄生虫や自分の体に食らいついているウミヤツメを振り落とすことが目的と考えられています。

最後に

いかがだったでしょう。今回は海の遊覧船、ウバザメが持つ意外過ぎる魅力的な習性をご紹介させていただきました。その姿自体は少し地味なイメージがあるウバザメですが、かなり魅力的かつミステリアスな一面を持つのがお判りいただけたのではないでしょうか。穏やかな性質に巨大な体、そしてこのような魅力もあり、ダイバーの方にも結構人気が高いのですが、残念ながらウバザメは現在その数が急速に減りつつあり、絶滅が心配されている種なんですね。

IUCN(国際自然保護連合)が定めるレッドリストではウバザメはEN(絶滅危惧 ⅠB類)にランクされていて、その危急性も高い種といえます。

優しい巨人が現在の地球から姿を消してしまわないよう、私たちも出来る限りのことをして行かねばですね。ではでは、今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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