こんにちは(^^)今日、今年初めてのセミの声を聴いたえたばりゅです。
最近はめっきりと気温も上がり、絶好の行楽シーズンとなりましたよね。これからの時期、海や山にお出かけになる方も多いのではないでしょうか。とくにあと1ヶ月もすれば海開きも行われ、もう今のうちから海水浴の計画を立てておられる方も多いのではないでしょうか。しかしながら、やはり海水浴も飲酒での遊泳や極度の日焼けによる熱中症。また、おぼれてしまうリスクなど、注意すべき点はたくさんあるかと思います。
そんな中で忘れがちなのが、やはり海に住む危険で注意すべき動物たち。陸に住む動物同様、海にも様々な危険動物たちがおり、力に物を言わせるタイプ。毒を持って相手を制するタイプなど様々です。日本近海において力にモノをいわせるパワータイプの動物はあまり見る機会がないですが、意外と多いのが毒を持つ動物たち。
中には、対処が遅れると命に危険が及ぶような毒をもつ動物たちも生息しております。このコーナーではそういった危険で警戒すべき動物たちにスポットを当ててご紹介させていただき、動物、人お互いの安全のために極力遭遇を防ぐための方法などをご紹介したいと思います
今回ご紹介したいのは、海に住む動物で毒をもつものは??問われるとこの種類を連想される方も多いのではないでしょうか。海水に適応した爬虫類の一つである、ウミヘビですね。ウミヘビは暖かい海域に生息しているため、南のほうへと旅行をかねて海水浴に繰り出される方はご注意されているほうがよろしいかと思います。ではでは今回も最後までお付き合いいただけましたらと思います。
危険動物 ウミヘビ
ウミヘビは、有鱗目ウミヘビ科に属するヘビで種族は言わずとしれた爬虫類。世界各国の熱帯、亜熱帯地方の沿岸部に主に生息しておりますヘビの一種になります。日本では主に沖縄近海を生息地域としておりましたが、昨今の温暖化の影響で、最近は九州・四国はもちろん、紀伊半島沿岸や千葉県房総半島周辺の海でも時折見かけられるようになっております。
ウミヘビは割りと多くの種類がおりまして、日本近海では約9種類ほどのウミヘビが暮らしております。また、ウミヘビといいましても爬虫類であり、短時間であれば陸上で活動することも可能な種もおります。
日本近海に棲むウミヘビ
では、日本に生息するウミヘビのうち、比較的よく見られる種類のウミヘビを何種かご紹介しようと思います。
エラブウミヘビ
画像はウィキペディアさんよりお借りしました。
エラブウミヘビは英名を Erabu Black-banded Sea Krait(長げー・・・)。学名を Laticauda semifasciata というコブラ科エラブウミヘビ属に属するウミヘビで体長は約1mほどになります。魚類や甲殻類を主食としており、性格はかなり温厚はヘビです。そして体の比率からすれば小さな頭部を持っているのも特徴といえます。
ただし、このエラブウミヘビも温厚とはいえ、ウミヘビの一種で毒は有しており、毒性は神経毒。毒の強さはハブのおおよそ、80倍といわれております。もし見かけても絶対に触らないようにしましょう。
ヒロオウミヘビ
画像はウィキペディアさんよりお借りしました。
ヒロオウミヘビは英名を Banded Sea Snake 、もしくは Blue-lipped sea krait 。学名を Laticauda laticaudata というコブラ科エラブウミヘビ属に属するウミヘビで、上記のエラブウミヘビの仲間になります。こちらもエラブウミヘビと同じく、体長は約1mほど。ブルーの体に黒の縞々模様が特徴的なヘビで美しい体色をしております。しかしなら・・・と申しますか、美しいものには・・・の言葉通り、このヒロオウミヘビも、攻撃性は低いものの、かなり強い神経毒を有しておりますので、特にサンゴ礁近辺では注意が必要な種といえます。
イイジマウミヘビ
画像はウィキペディアさんよりお借りしました。
イイジマウミヘビは英名を Iijima Sea Snake 。学名を Emydocephalus ijimae という、コブラ科カメガシラウミヘビ属に属するウミヘビで、体長は約80cmほど。淡い黄色に黒の縞々が特徴的なウミヘビになります。こちらのヘビは有毒とは言われているものの、主食が魚の卵になります。ですので毒を使用する必要性がないため、毒腺や牙が退化しており、陸上にも上がらない種類のため、遭遇しても安全なウミヘビになります。
ただし、ウミヘビの体色や形状は似ているものが非常に多く、熟練者でもパッと見た感じではその種を特定できないことも多くあり、私たちのようなウミヘビに関して知識をあまり持たない者が安易に触ると別種の猛毒を持つヘビの可能性がありますので、やはり触らないほうが無難かと思います。
クロガシラウミヘビ
画像は海 写真・水中写真 | 無料壁紙&フリー素材屋さんよりお借りしました。
クロガシラウミヘビは英名を Black-headed Sea Snake 。学名を Hydrophis melanocephalus という、コブラ科ウミヘビ属に属するウミヘビで、体長は約1,3mほどになります。日本では主に沖縄に生息しておりますが、まれに海流にのって移動し北海道でも目撃されることがあります。
陸に上がることはないですが、穏やかな性格の多いウミヘビの中では比較的攻撃的な性格をしており、クロガシラウミヘビのほうからこちらに向かってくることもあるため日本近海に棲むウミヘビの中では特に注意が必要な種になります。毒も強い神経毒を持っており、万が一咬まれると、運動障害や麻痺を起こし死亡することもあります。
体色は淡い黄色に黒の縞々模様をしております。淡い黄色に黒の縞々・・・。先ほどのイイジマウミヘビと似てますよね。ほらね。やっぱり触らないほうがいいでしょ(^^;)
万が一咬まれた場合
完全水棲のウミヘビはダイビングなどの遊泳時を除くと遭遇することもほとんどないかなと思いますが、エラブウミヘビやヒロオウミヘビなどのように陸にも上がる種であれば磯遊びや潮溜まりなどで、触れる、もしくは居るのに気づかず近づいてしまい、接触してしまい咬まれてしまうということもあるかもしれません。
ウミヘビの毒はそのほぼが神経性の毒になり、神経伝達機能を遮断する働きを持っておりますので放っておくと、麻痺を起こし体が動かなくなってしまいます。特に遊泳中であれば、咬まれると海の中で体が自由に動かなくなるという非常に危険な状態に陥る可能性があるかと思いますので、速やかに陸に上がり病院へと直行してください。咬まれた時の応急処置としては、
咬まれた箇所を水道水・もしくは番茶(番茶に含まれる成分、タンニンが毒を洗い流してくれる)で洗い流し、患部を清潔なガーゼで保護する。
患部を心臓よりも低い位置に保つ(全身に回る毒のスピードを遅くするため)
等をしていただき、出来るだけ早く病院に行くようにしていただければと思います。この折、可能であれば咬まれたヘビの種類を特定しておくようにしてください。そして、もちろん有毒危険動物のカテゴリでは、よく申し上げているとおり、慌てる・パニックになるというのは禁物です。そうなってしまうと心臓の鼓動が早くなり、毒の回りがどんどん早くなってしまいます。
他にも、走る・怒る・飲酒など血流が早くなるような行為は厳禁と認識していただけましたらと思います。
最後に
いかがだったでしょう。ウミヘビ。大人しい種類が多いですが、中には比較的攻撃性がある種もあるというのがお分かりいただけたのではないでしょうか。事故を防ぐためにはむやみに触ったりしないことがやはり一番の予防策と言えそうですね。
また日本近海に棲むウミヘビの多くは乱獲や生息地の破壊などにより絶滅が危惧されており、今回ご紹介した海蛇のうち、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、イイジマウミヘビはレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ種に分類されております。見かけてもそっとしておくようにしましょう。
これからの時期、海でのレジャーに出かける機会は多くなるかと思いますので、特に注意したいものですよね。しかしながら、海も彼らの貴重な住処。入る際は出来るだけ注意を払い、また出来るだけ生息地を汚さないように私たちも注意していかなければと思います。そして自然での遊びの際はそこに生息している可能性がある危険動物たちのことも予備知識として頭に入れておいていただくとよいかと思います。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
下記にこれまでご紹介させていただいた危険動物達の記事リンクも掲載しておりますので、良ければご参考いただけましたらと思います。