こんにちは。えたばりゅです。
今回は、ハチの仲間では世界最大の大きさを誇るオオベッコウバチというハチの仲間の生態に迫っていきたいと思います。
あの恐ろしいタランチュラさえ獲物にしてしまうというオオベッコウバチ。実はそれには意外過ぎる事実が隠されていたんですね。ではでは、早速その事実を含めてオオベッコウバチの魅力をご紹介していきましょう。
オオベッコウバチ タランチュラを狩る世界最大のハチの意外過ぎる事実とは
オオベッコウバチ、別名「ドクグモオオカリバチ」
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いや、もうこの別名だけで恐ろしさはピカ一ですよね。標準和名は結構そのまま、というか、直接的なネーミングが多いので、時にはかなりシュールで面白いけどかわいそうな名前が付けられた生き物たちが目につきますが、直接的ということは、その種がいかに強いか、恐ろしいかを表していることもあります。
タランチュラオオベッコウとも呼ばれている。オオベッコウバチ、その名の通り、クモを専門に狩りのターゲットとしているハチです。空中を旋回し、獲物となるクモを見つけるや否や、猛然と相手に襲いかかかるその様を、タカが獲物めがけて猛然と襲い掛かる姿に準えて、英名では「Tarantula hawk(タランチュラ ホーク)」と呼ばれております。
中央アメリカを中心に、北アメリカ大陸南部から南アメリカ北部地域にも生息しており、その体長は何と最大クラスで約8cm、少し線は細いものの、その大きさは日本では知らない人はいないと言っても過言ではない、あのオオスズメバチをも凌ぐ世界最大クラスのハチとして知られていて、オオスズメバチのように群れを作る習性はない為、刺されると時に命にかかわるということは少ないですが、人間も刺されると激痛を伴うので、現地であるアメリカでは恐れられております。
どれくらいの激痛かはですね、ふふふ。それについては後述でタップリ触れておりますのでお楽しみを。
この巨大さに似合わず、動きはかなり俊敏で、その素早い動きでクモの毒牙による強烈な反撃を巧みにかわし、相手を疲弊させて必殺の毒針をクモに打ち込んで仕留めるというわけです。
オオベッコウバチの獲物となるクモ
ベッコウバチの仲間は総じてクモを狩ることで知られており、日本にもベッコウバチの仲間が生息しているんですが、「黒光りのG」として巷で恐れられるゴキブリを狩ることから、一部では敬意を表され、「軍曹」というニックネームで知られているアシダカグモ(脚を広げると約13cm)も実はベッコウバチの獲物のラインナップに入っているんですね。
しかしながら、オオベッコウバチが獲物としているのは、さらに恐ろしいクモ、タランチュラの名で有名なオオツチグモ科のクモたちなんです。
その中には、脚を広げたその大きさがなんと20cm以上にも及ぶ、ゴライアスバードイーター(ルブロンオオツチグモ)と呼ばれるタランチュラもオオベッコウバチの獲物の一つとしてラインナップされているんですね。
もちろん、このゴライアスバードイーター、タランチュラの名を冠しているに恥じない巨大な牙の持ち主で、英名の「bird eater:鳥を食べるもの」は伝承的意味合いもあるものの、自身は他の昆虫類はもちろん、トカゲや小型のヘビなどの爬虫類、そして鳥の仲間も小鳥であれば、獲物とする強力な捕食者。
その毒牙で咬まれると人間もかなりの深手を負うことになります。
そんな強大な実力を持っているクモですら、オオベッコウバチの前ではただの獲物に過ぎないんです。
ただね。。。ココで超意外な事実を一つお伝えせねばなりません。
オオベッコウバチの超意外な事実 実はタランチュラを食べない
えΣ(´∀`;)
って思われましたよね。実はオオベッコウバチの成虫は専ら花の蜜や花粉を糧にしていて、タランチュラを食べないんですね。
では、なんでタランチュラはオオベッコウバチに襲われてしまうんでしょうか。
オオベッコウバチは同じように体の巨大さで売っていて、尚且つ自分よりもちょっとばかり知名度が高くて、もてはやされているタランチュラの存在が気に食わないんでしょうか。
ってことはタランチュラはただの八つ当たりのやられ損ということでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。オオベッコウバチはそんなに器の小さいヤツではなくて、タランチュラを襲うのにはしっかりとした理由があるんです。
オオベッコウバチがタランチュラを攻撃する理由
この理由はたった一つ。
オオベッコウバチたちの幼虫の糧とするためなんですね。オオベッコウバチの成虫が花の蜜を主食としているのに対し、幼虫たちはクモを糧として育ちます。
しかしながら、オオベッコウバチの幼虫も他のハチと同じく、そのフォルムはイモムシ型。残念ながら幼虫ではタランチュラのような強大な敵を狩るなんてことはできません。
これゆえ、オオベッコウバチは自らの幼虫の糧とするためにタランチュラを攻撃しているというわけです。オオベッコウバチの成虫の毒針攻撃によってマヒ状態にされたタランチュラは仮死状態、つまりは生きているまま、巣に運ばれ、幼虫たちに徐々に食べられてしまうというわけです。
一見残酷なようにも見えますが、幼虫が糧とする食料が腐ってしまわないための対策なんです。
実は日本に生息するオオスズメバチも、度々ミツバチの巣を襲って、その巣をせん滅させるようなショッキングな光景がよくクローズアップされますが、あれは成虫たち自身が食べる目的で襲っているのではなく、幼虫たちに与えるエサを確保するために襲っているんですね。
スズメバチの成虫の栄養源は幼虫が生産する分泌液や、樹液、花の蜜など液体状のものがほとんどなんです。
獰猛と恐れられる捕食者の意外な素顔というところですよね。
オオベッコウバチに刺されると、全毒虫で頂点レベルの悶絶級激痛
ではお待ちかね。オオベッコウバチに刺されてしまったとき、どれくらいの痛みがあるのかについて触れていきましょう。
このように、私たちに命の危険を及ぼすような、猛毒を持つ巨大なタランチュラの仲間でさえ麻痺して動けなくなるほどのオオベッコウバチの毒。私たち人間が刺されるとどのような痛みが伴うのか・・・
やっぱり気になりますよね。
ご想像のとおり。と申しますか、耐えがたいほどの激痛らしいです。
一説によれば、「悲鳴を上げること以外すべてを忘れてしまう」ほどの激痛とのこと。
ただ、オオベッコウバチは、そのイメージとは裏腹に、その性格もスズメバチ系の中では比較的温厚な部類。なので、羽音は恐ろしいですが、自身に危険が及ぶ可能性がなければ、積極的に人を刺しに来ない性格の持ち主です。そして、その毒の痛みも約5分程度が痛みのピークとされており、アナフィラキシーショックを起こさない限りは、刺されても命の危険はないと考えられています。
ただ、いくら短期間とはいえ、痛い・・・と申しますか、間違いなく激痛。
ハチやアリなどのハチ目に刺されたことに伴う痛み指標である、シュミット指数は1~4のレベルでは、最大の4。今のところ、シュミット指数で4を獲得しているのは、13万種、一説によると30万種にも上るハチ目の仲間の中、バレットアントの英名で知られるパラポネラ(サシハリアリ)とオオベッコウバチのみなんです。
まぁ、この指標は元昆虫学者であるシュミット氏の研究に元づく、実体験(自ら刺される)経験を自ら科学的に分析したものであるので、全世界すべての刺すハチ目を網羅しているわけではないと思うのですが、その仲間である大多数にデータベースを持っているとされているんです。
痛みは各々感じるレベルに多少の差異はあるとはいえ、昆虫学者の研究意欲による実体験がベースとなっているとあれば、その信頼度もバツグン・・・。
アメリカの訪れた際に、オオスズメバチよりもデカい巨大なハチを見かけたならば、絶対にちょっかいかけたいしないようにしなければですね。
最後に
いかがだったでしょう。今回はタランチュラを獲物とする世界最大のハチ、オオベッコウバチをご紹介させていただきました。
あのタランチュラのような巨大なクモを専門に狩るっていうのはもちろん驚愕の生態ですが、成虫たちは食べないってのは同じくらい衝撃だったのではないでしょうか。
実は、ハチたちはご存知の通り、あのようなフォルムをしているので、その構造から固形物を消化器官に運ぶには胸部から腹部にかけてのつなぎ目の部分が細すぎるんですね。
ですので、多くのハチやアリたちの成虫たちは他の種や幼虫から生じる液体物質や樹液、花の蜜を糧として生活しているんです。それに対し、幼虫たちはイモムシフォルムなんで、固形物も難なく消化器官へと運べるというわけです。
ただ、栄養摂取方法においてはタガメやミズカマキリ、それこそ獲物としているクモ類のように、相手の体内に消化液を注入して、液状にしてから取り込むといった体外消化という選択肢もあったはず。
それをせず、このような進化をたどったということは何かしらの理由があったんでしょうね。思うにハチはミツバチに代表されるように、古来より植物との確固たる共生関係を担ってきたところもあり、そのあたりもその一端を担っているのかもしれません。
ではでは、今回はこの辺りで。今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。